輸出入を検討する品があるものの、通関作業が難しいと考えている人もいるのではないでしょうか。
通関作業を自社で完結させることは可能です。ただし、税関に提出する申告書や法令関係書類を完璧に揃え、正確な情報を仔細に記述することが条件ではあります。
この記事では、輸出入の通関で欠かせない手続きや必要書類、時短のポイントについて紹介します。通関作業を難しいと感じる人は、ぜひ参考にしてください。
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通関作業と関連業務の範囲
通関手続きは、商品を出荷した国と、受け取った国の両方で必要となります。日本側の手続きにおいては、関税法および関税関連の法令を遵守しなくてはなりません。
日本国内に持ち込むことが認められていないものや、国外への持ち出しが不可なものは存在します。それらに該当していないか、また申告された内容は正確かが、税関によって審査されるのです。
通関作業とはこれらの手続きを意味しており、さらに大別すると「輸出入の申告」「保税地区の申告」になります。この2本柱で、より具体的な通関作業や関連業務を見ていきましょう。
輸出・輸入の申告
輸出もしくは輸入の申告をして、必要な許可を得るまでの手続きを指しています。輸出入の許可を得るためには、税関に輸出入の申告書と法令関係書類を提出しなくてはなりません。
輸出入の通関手続きを、輸出入をする本人が行うことは可能です。手続きの概要はこの記事内でお伝えしますが、詳細は税関の相談官室で確認してください。
一方で、税関長の許可を受けた専門業者は、通関手続きを代行することができます。昨今は電子申告による通関作業が主流ですが、専門業者向けのシステムへアクセスしなくてはなりません。
したがって、電子申告を望むなら、専門業者に依頼することになるでしょう。初めて業者を利用する際は、通関業務を委任する旨を記した委任状を作成してください。
保税地域に貨物を置く申告
輸出入の申告にあたって、保税地域に貨物を置く可能性があります。保税地域に関わる申告も、通関作業の一部となっています。
保税地域とは、輸入者にとっては、関税を支払う前に商品を取り扱うことができる場所です。一定期間内なら、貨物の積み卸しと保管だけでなく、加工や展示まですることができます。
また、輸出する側から見ると、商品は取締りのため一旦は税関の監督下におかれます。税関による輸出審査を受けるには、税関が管轄する保税地域へと運び入れる必要があるのです。
日本から輸出する際の通関作業
まずは、日本から海外へ輸出をする際の通関作業について解説します。もし専門業者を利用することになっても、どのような作業が行われるか知っておいて損はありません。
通関の作業日数は、少ないに越したことはないでしょう。書類の不備があれば長引きますが、仔細な記述をすることで検査が免除される可能性もあるのです。
輸出時の通関に欠かせない書類や手続きの流れ、想定される時間についてお伝えします。
輸出通関に必要な書類
あらゆる品目の輸出通関に必要な書類から見ていきましょう。代表的な書類と特徴について、下記の表にまとめました。
インボイス | ・輸出する者が輸入者へ向けて発行する貨物の明細書 ・パッキングリストと整合性が取れているか要確認 |
パッキング リスト | ・梱包されている貨物の明細書 ・どの箱に、どれくらいの量が入っているかを確認される |
非該当 証明書 | ・輸出する品目が、輸出規制の対象ではないことの証明 |
商品 説明資料 | ・通関士が申告書の作成時に参照するだけでなく、税関へも提出する ・詳細が明確に記されていると、通関作業が迅速に進行し、税関検査が行われない場合もある |
なお、どの書類においても正確さが求められます。税関でミスを発見されると修正に時間を要し、輸送の便を逃す恐れすらあるので、くれぐれも気をつけてください。
輸出通関手続きの流れ
輸出をする際の通関手続きは、以下の流れによって進行します。輸出時に税金はかかりませんが、輸送費用は前納するのが一般的です。
輸出する貨物を保税地域へ搬入し、貨物をコンテナへ積み込みます。また、保税地域ごとに管轄の税関官署があるので、該当する税関で輸出申告を行ってください。
税関にて書類が審査され、必要に応じて貨物検査も実施されます。検査後に問題がなければ輸出許可書が発行されるでしょう。許可を得られたら、保税地域から貨物を搬出し、荷積みをします。
上記は大まかな概要につき、詳細を知りたい人は「輸出通関の流れとは?通関に必要な書類や申告のタイミングも解説」をチェックしてください。
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日本へ輸入する際の通関作業
こちらでは、海外から日本へ輸入する際の通関作業について説明します。
一般的に、輸出者の方が準備する書類は多いかもしれません。しかし、もし書類に不備があった場合、輸入者側から修正を促すのは難しくなりがちです。
輸入通関で気を付けるべきポイントを押さえておくことで、手続きの時間を短縮することができます。まずは必須の書類から、そして手続きの流れや所要日数も見ていきましょう。
輸入通関に必要な書類
ほぼすべての品目の輸入通関に必要な書類を、下記の表にまとめました。輸出者が作成する書類に不備があると、訂正するのも容易ではないことを念頭においてください。
インボイス | ・輸出する者が輸入者へ向けて発行する貨物の明細書 ・パッキングリストと整合性が取れているか要確認 |
パッキングリスト | ・梱包されている貨物の明細書 ・どの箱に、どれくらいの量が入っているかを確認される |
アライバル ノーティス | ・船会社によって発行される貨物の到着案内 ・アライバルノーティスに記載された追加費用を支払うと、荷渡指示書が手に入る |
船荷証券(B/L) | ・船会社が発行する書類 ・どこからどこに、誰から誰へ、何を何個送るのかが記載されている |
商品説明資料 | ・通関士が申告書の作成時に参照するだけでなく、税関へも提出する ・詳細が明確に記されていると、通関作業が迅速に進行し、税関検査が行われない場合もある |
なお、輸入する品目によっては、省庁の許可証や原産地証明なども必要になります。
輸入通関手続きの流れ
輸入時の通関手続きは、下記の流れによって進行します。気をつけていただきたいポイントは関税の支払いなので、ぜひ着目してください。
貨物が日本へ到着すると、まず運送会社や代理店から連絡があるでしょう。そして貨物を保税地域へ搬入し、輸入申告を開始するのが一般的です。
輸入申告書を税関に提出すると、書類審査や、必要に応じてX線検査や現物検査が行われます。問題がなければ輸入が許可されるでしょう。
ただし、輸入許可証が交付されるタイミングは、関税や消費税などを納付した後です。貨物を引き取る際は、輸入許可証や荷渡指示書の提出を求められます。
輸入通関にかかる日数
輸入通関の手続きが順調に済んだ場合の所要日数をお伝えしましょう。貨物が日本に到着してから、海上貨物は1日から3日で、航空貨物なら1日が目安です。
ただし、土曜日や日曜日は通関手続きが行われないため、土日を挟むとさらに3日ほど長引く可能性があります。
HSコードと関税率
日本から輸出する際に関税は請求されませんが、受け取り国側で関税が発生します。すべての輸出入貨物は申告時にHSコードによって分類される必要があり、HSコードに基づいて関税率が決定するのです。
このHSコードの分類を間違えると、税金の金額も誤る恐れがあり、納税額が正確でなければ輸入許可を得られません。したがって、慎重にHSコードを精査する必要があります。
HSコードの数は約9,000もあり、表を見てすぐ判別できるほど単純ではありません。品目ごと、さらに材質別でも細かく分類されているため、通関士によって選別されるのが一般的です。
HSコードの仕組みや関税額を深掘りしたい人は、「HSコードってなに? ~ 関税分類、関税率の話 ~ | 日新運輸工業株式会社」をご確認ください。
通関作業でお悩みなら日新運輸工業へご相談ください
これまで見てきたように、通関作業には専門的な知識が欠かせません。まず日本国内の法律による規制をクリアする必要があります。
さらに、品目によっては事細かい規格基準が設けられていたり、厳格な検査があったりするのです。それに伴う必要書類や許可申請も多く、時間も労力もかかることが予想されます。
日新運輸工業は、日本全国の港や空港にて、豊富な通関業務の経験があります。当社のセキュリティ管理とコンプライアンスの体制は、税関長からも認定を受けているため、どうぞご安心ください。
通関作業でお困りのことがあるなら、どんな些細なことでも、お気軽にお声をかけてくださいませ。
まとめ
通関作業とは、税関に輸出入の申告書と法令関係書類を提出し、許可を得るまでの手続きを指しています。また、保税地域に関わる申告も通関作業の一部であり、輸出でも輸入でも関わる可能性が高いです。
通関にかかる日数は、書類に不備があれば長引いてしまいます。一方で、細密な書類を作成することで検査が免除され、日数を短縮できる可能性もあるのです。
専門業者に通関を依頼すると、あらゆる手続きが正確かつ迅速に行われます。トラブルを回避する術も熟知しているので、専門家ならではの意見を聞いてみてはいかがでしょうか。