関税・消費税の納付方法 ~リアルタイム口座振替方式がおすすめ!~

マルハナジャーナル!

関税・消費税の納付方法 ~リアルタイム口座振替方式がおすすめ~

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関税・消費税の納税手続きにはどのようなものがあるの?

外国から到着した貨物を国内に引き取る際には、税関へ輸入(納税)申告し、関税・消費税等が課税される貨物については、その税金を納税後、輸入が許可されます。

関税・消費税の納税手続にはどのようなものがあるのかご存じでしょうか?

※ 税関に担保を入れて輸入許可(納税)前に貨物を引き取ったり、納期限を延長する制度もありますが、ここでは省略いたします。

納税手続には、
① 直納
② 電子納付
③ ダイレクト方式

があります。

それぞれの方式について、通関業者がNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)を利用して輸入申告する場合について説明いたします。

直納方式での納付

税関の税関審査・検査が終了すると、納付書情報(直納)がNACCSで配信され、納付書により税金を銀行の窓口又は郵便局の貯金窓口にて直接納付する方法です。

納付後に領収書を税関に提出し、税関で納付の登録をすると輸入が許可されます。

とても手間と時間がかかりそうですよね!

電子納付

輸入申告等の際に、マルチペイメントネットワークを利用での納付を選択して税関に申告します。

税関での審査が終了すると、納付書の代わりに、収納機関番号(税関は00120)、納付番号及び確認番号等を表示した「納付番号通知情報」がNACCSで送信され、当該通知情報により、マルチペイメントネットワークを利用して関税等を納付する方法です。

納付が完了すると輸入が許可されます。

直納と比べると随分、楽になりました!

でも、「納付番号通知情報」をもとに銀行での納付手続をしなければなりませんので、どうしても輸入許可までに少し時間を要します。

そこで登場したのが、今回説明するとても便利なダイレクト方式です。

関税・消費税の納税手続きにはどのようなものがあるの?

税関HPより

ダイレクト方式の対象となる税関手続は、輸入貨物に係る輸入(納税)申告(修正申告)などに係る手続となります。

関税・消費税等を、輸入者自身で設定した預金口座から直接振り替える手続をダイレクト方式(リアルタイム口座振替)といいます。

ダイレクト方式を選択して輸入申告すると、税関での審査・検査が終了すると、自動的にリアルタイム口座から税金が引き落とされ、輸入が許可されます。

※ ダイレクト方式を利用するためには、事前にNACCSセンターに対して利用申込手続を行う必要があります。登録、利用に手数料等はかかりません

ダイレクト方式のメリット

① 自動的に関税・消費税等の納付手続が行われるため、電子納付のように、個々の申告の都度、納付指示を行う煩わしさがなく、また、貨物の早期引取が可能となります

② ダイレクト方式の口座振替契約を行った場合でも、輸入(納税)申告の際において納付方法を選択できるため、申告の都度、最も有利な納付手段を選ぶことができます

③ 電子納付と同様、現金の持ち運びがなくなることから安全性・利便性が向上することとなります

④ 納付に際して口座不足になった場合でも、一般口座を利用するため、口座残高の積増しを行えば直ちに納付が可能な状態となります

ダイレクト方式の留意点

① 納付に伴う領収証書は発行されません。

 ⇒ 通関業者等に出力される「輸入許可通知情報」「修正申告控情報」、または管理資料にて把握が可能です。また、予め登録すれば、口座振替完了時に「リアルタイム口座振替完了通知情報」が出力されます。これらの資料は通関業者等から入手できます

② 関税・消費税等の納期限延長を行う場合、ダイレクト方式が利用できません。

 ⇒ 納期限を延長して先に貨物を引き取っているので、余裕を持って納付できます

③ ダイレクト方式は、マルチペイメントネットワークを利用しており、当該ネットワークのシステム側において、定期休止時間(1月1日20時15分~1月2日5時40分、 ・6月、9月の第3日曜日の早朝帯(0時~5時40分))となっており、この間はダイレクト方式は利用できません。

  ⇒ 実務上、ほとんど影響はないと思います

④ ダイレクト方式が利用できる金融機関は限られています。

 ⇒ ・・・とはいえ、かなりの金融機関が参加しています

リアルタイム口座振替方式対応金融機関(銀行)一覧 (naccscenter.com)
リアルタイム口座振替方式対応金融機関(信用金庫)一覧 (naccscenter.com)

通関業者による関税・消費税等の立替払いについて

関税・消費税等の納付手続について説明いたしましたが、実は、通関の現場においては、通関業者が輸入者に代わって税金を立替払いし、その後、輸入者に立替払い金を請求するケースが多くあります。

ですが、輸入者自身の銀行口座から直接税金を支払うダイレクト方式では、通関業者への立替金送金が不要になるため、送金手数料が節約できる、といったメリットもあります。

公正取引委員会が問題視!

公正取引委員会が、荷主による物流事業者に対する優越的地位の濫用を効果的に規制する観点から、「荷主と物流事業者との取引に関する調査」を行い、令和4年5月25日に発表した調査結果によると、立替払いについて、次のように記載されています

【調査結果】
不当な経済上の利益の提供要請
「荷主は、通関手続において発生する関税・消費税を荷主において直接支払わず、物流事業者に対し、立替払いをさせた。」

立替払いについては、公正取引委員会も問題視しており、今後の対応について、「今後も引き続き、荷主と物流事業者との取引に関する調査を継続して実施していく。」としています。

(令和4年5月25日)荷主と物流事業者との取引に関する調査結果について | 公正取引委員会 (jftc.go.jp)

まとめ

いかがでしたでしょうか?

NACCSが導入される以前のマニュアル(手動)申告時代は“直納方式”しかなく、通関業者は、税関から納付書を受け取ると、午後3時までに銀行に駆け込んで納税し、領収書を持って税関に戻り、納税の確認を受けてから輸入許可書をもらわなければなりませんでした。

銀行が開いていない時間では、税関への現金納付か小切手での納付でしたので、現金管理も大変でした・・・

でも今はダイレクト方式(リアルタイム口座振替方式)があります!

輸入者様におかれましては、便利なダイレクト方式での納税について、是非、ご検討をお願いいたします。

リアルタイム口座振替方式(ダイレクト方式)等申込み | NACCS掲示板 (naccscenter.com)

最後に

日新運輸工業・国際部には、輸出入申告のプロである通関士がたくさん在籍しております。

輸入通関手続のお悩みや疑問は弊社が解決いたします! お気軽にご相談ください