HSコードってなに?
~関税分類、関税率のお話~
みなさんこんにちは!
皆さんは、輸出入する商品をどのように税関に申告しているかご存じでしょうか?
世の中には数えきれないほどの商品が存在しますが、輸出入申告の際にはその商品全てを該当するHSコードに分類して申告します。
今回は、HSコードと関税分類についてスポットを当ててご紹介いたします。
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HS(エイチ・エス)コードとは?
HS条約という「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約」に基づいて定められたコード番号で、2022年7月現在、日本をはじめ160の国と地域が加盟しています。
HS条約の附属書は通称「HS品目表」と呼ばれており、あらゆる商品を組織的・体系的に分類しており、日本では、輸出は「輸出統計品目表」、輸入は「実行関税率表」にまとめられています。
今回は、税関に輸出入申告する上で重要となるHSコードについて、輸入通関のケースを中心にご説明したいと思います。
HSコードの仕組みは?
HSコードは6桁目まで国際的に統一されており、それ以降は各国の国内法で細分化されています。
日本では9桁の番号で構成されています。ちなみに輸出入の申告書では10桁の番号で表記されていますが、10桁目はNACCSコードの番号となっています。
※ NACCS(ナックス)は、貿易関連の行政手続きと民間業務をオンラインで行うシステムです。
輸出も輸入も同じなの?
HSコードは輸出、輸入とも構成は同じで「輸出(入)統計品目番号」と呼ばれていますが、通関の現場では、輸出では「統計品目番号」、輸入では関税にかかわってくるので「税番」と呼ばれています。
私は、ついつい輸出の場合でも“税番”と言ってしまいますが、「輸出だから“統計品目番号”!」と指摘されることがあります・・・細かいですね、通じるのに!
ちなみに、輸出と輸入のHSコードは全く一緒ではないんです!
輸入では、貨物の形状や材質などで税率を細かく設定するために、統計細分がかなり細かく分けられていますが、輸出ではそこまで細分化する必要がないことなどが理由のようです。
・・・同じにしてほしいです(-_-;)
9桁の構成はどのようになっているの?
9桁の構成は、「上2桁=類」と「上4桁=項」、「上6桁=号」に「下3桁=統計細分」です。
統計細分は、輸出では「細分番号」、輸入では「統計細分」又は「税表番号」と呼びますが、どちらも“統計番号”で通じます。
正確には、国際統一の “6桁”をHSコード(又はHS番号)と呼びますが、ここでは、この9桁をHSコードと呼ぶことにします・・・ややこしいので。
HSコード9桁ってどのように記載されているの?
例えば、新型コロナウィルス感染症の影響で輸入量が
増加した不織布マスクのHSコードは、
「6307.90-023」というふうに記載されます。
上位6桁の「6307.90」
は世界共通、それ以降は各国度独自のもので、
「-023」は日本国内用
として細分化した番号となっています。
HSコードってどのくらいあるの?
HSコード数は国際統一の6桁で約5,600あり、9桁ではなんと約9,000もあります!
通関手続きは手続きが複雑で手間もコストもかかります。
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分類って何?
輸入商品を関税率表の該当する箇所に当てはめる作業を「関税分類」や「品目分類」と呼びます。通関の現場では、通常、単に“分類”と呼んでいます。
HSコード数は約9,000。
関税率表を見ただけで分類できるものではないんです!
えーっ!分類ってそんなに難しいの?
そうなんです!
お客様からいただく通関書類の
インボイス(仕入書)の品名欄に、例えば、
“GARMENT(衣類)”と記載があったとします。
これだけでは編み物(61類)なのか織物(62類)なのかわかりません。
これが編み物のシャツとしましょう。
男性用・女性用、防寒性の有無、襟の有無、刺繍・プリントの有無、色(単色又は複数の糸)、ポケットの有無、裾は絞っているのか、編み組織は平編みか模様編みか、材質は綿・化学繊維???
これがわからないと分類できないんです!
通関士はこれらを確認した上で、関税率表解説、国際分類例規、国内分類例規、税関HPに掲載されている品目分類事例や品目分類の事前教示等を参考に、検討を重ねて分類を行います。
HSコードで税率・納税額が決まる!
分類はとっても重要なんです!
分類(税番)を間違って申告(税関で“非違”と呼ばれています。)すると、税関からお𠮟りを受ける上に、お客様にもご迷惑をおかけすることになってしまいます。
ですから、通関士はいつも分類のことで頭を悩ませているんです!
お客様には商品資料のご提出について、ご協力をお願いいたします!
関税ってどのくらいかかるの?
輸出では税金はかかりませんが、輸入の場合はHSコードごとで関税率が異なります。
関税は無税の品目(関税無税品)は、全品目の約34%です・・・意外と多い?
主な無税の品目としては、車、ゴムタイヤ、パソコン、テレビ、カメラ、時計、家具、機械類などがあります。
これらについては関税がかからず、消費税のみが課されます。
現在、関税が高いものとしては、革製品(靴・バッグ)、衣類、お茶、酒類、菓子類、肉・魚介類、乳製品などがあります。
これらは国内産業を保護するため、関税率が高くなっています。
例えば(2022年の関税率表では)
・ チョコレート菓子(18類):15~29.8%
・ お茶(21類):8~10%
・ 革製ハンドバッグ(42類):8~10% *貴金属等を使用したものは14%
・ 毛皮のコート(43類):20%
・ 繊維製のジャケットやズボン・スカート(61、62類):8.4~12.8%
・ 革製の紳士靴(64類):30%又は4800円/1足のうちいずれか高い方
* [関税割当]を受けていて割当数量以内であれば24%。
* 靴全般の分類は非常に難しいです。甲、本底等の材質やスポーツ用、室内用等の用途、形状等で関税率は大きく異なります。
税関HP:主な商品の関税率の目安
税金(関税)を安くしたい!
現在、関税がかかっている「関税有税品」であっても、近年、各国との間で締結されている二国間協定や日・EU協定、TPP協定、RCEP協定などの経済連携協定(EPA)の特恵税率を適用すれば、通常の税率より低かったり無税となったりするものもあります。
また、開発途上国からの輸入では、「一般特恵税率」が適用され、関税が無税になる品目もあります。
※ 一般特恵税率、EPA特恵税率を適用するためには、原産国の原産地証明書等を税関に提出する必要があります。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
日新運輸工業・国際部には、関税分類のプロである通関士がたくさん在籍しております。
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