ウイング車と平車の違いについて知りたい人も多いのではないでしょうか。ウイング車は荷台の側面が開いて側面からの積み下ろしができ、密閉された構造が特徴です。平車は荷台が平らで屋根がないシンプルな構造で、汎用性が高いことがウイング車との主な違いです。
両車のメリットやデメリット、幌車についても解説するので、ぜひ最後まで確認してみてください。
現在弊社では「物流コスト削減のための無料診断」を行っております。
昨今の人件費や燃料費の高騰で困っている場合は、コスト見直しをしてみませんか?
場合によっては物流費用の削減が可能な場合があるため、以下よりお気軽にお問い合わせください。

ウイング車とは?
ウイング車とは、荷台の側面と天井が一体となって開閉することのできるトラックです。この構造により、側面から荷物の積み下ろしが簡単に行え、フォークリフトを使ったパレット荷役作業が可能になります。ウイング車の特徴やメリット、デメリットについて、それぞれ詳細を確認していきましょう。
ウイング車の特徴
ウイング車は、荷台の両側面が鳥の翼のように大きく開閉する構造を持つ特殊なトラックです。荷物の積み下ろしを効率的に行えること、アルミ製の荷台であることが特徴です。
従来のバンボディ(箱型のトラック)と異なり、ウイング車は側面から荷物を積み下ろせるため、フォークリフトを使用したパレット荷役作業が容易におこなえます。物流センターでは、ウイング車を使って飲料や食料品を効率的に配送しています。また、アルミ製の荷台が雨風による荷物の損傷を防ぐため、医療機器メーカーでは精密機器を輸送する際にウイング車を活用することが多いです。
ウイング車には3つの開閉方式があり、倉庫の広さや積み荷の種類、積載方法に応じて使い分けられています。
- フレキシブルオープンタイプ:ウイングの開閉角度や方向を自由に調整できるタイプで、高さ制限がある場所でも対応しやすく、状況に応じた開閉が可能です。
- ターンオーバータイプ:ウイングが大きく開き、片側が中央線を超える(約160度)仕様です。クレーンを使った積み降ろし作業に適しており、効率的な荷役が可能です。
- 上下開閉タイプ:天井部分が上昇することで、荷台の高さを最大限に活用できます。高さのある荷物を積み込む際に便利な設計です。
ウイング車は側面が広いため、横風の影響を受けやすくなっています。高速道路や強風時の運転では、車体が流されないように気を付けて運転する必要があります。
ウイング車のメリット
ウイング車のメリットは、フォークリフトなどを使用したパレット荷役が可能であること、荷物の保護性が高いことです。扉の特徴と密閉した構造がこれらを可能にしています。
荷台の両側面が大きく開く構造を持つため、フォークリフトを使用した迅速な積み下ろしができます。作業時間が短縮され、従来の後部からしか荷役ができない箱型トラックに比べて効率的な荷役が実現するでしょう。
また、ウイング車の密閉構造は積荷を風雨や埃から保護し、品質を維持するのに役立ちます。特に精密機械や飲料などの輸送では、外部からの衝撃や湿度変化を防ぐことで、安全な運搬が可能です。悪天候時でも密閉構造により荷物の品質を保ちながら、効率的に目的地まで運ぶことができます。
ウイング車のデメリット
ウイング車のデメリットは、場所によっては作業が困難になること、最大積載量が少なくなることが挙げられます。車のスペースだけではなく、側面が開くスペースも必要になるためです。
ウイング車は、ウイング部分が荷台の上部で邪魔になるため、クレーンでの荷役ができません。積み地と下ろし地での、荷役の方法を事前に確認しておきましょう。
また、ウイング車は側面が開く構造上、積み下ろし時に広いスペースや十分な高さが必要です。天井の低い倉庫ではウイングを開けられず、荷物の積み下ろしに時間がかかるケースがあるため、作業場所のスペースや高さを事前に確認しておくとよいでしょう。
開閉機構の搭載により車両重量が増加することで燃費が悪化し、最大積載量が減少する点も課題です。運送する荷物の種類や大きさを考慮して積載重量が適しているか確認してみてください。
ウイングを閉め忘れたまま走行することで、事故に至る事例も報告されています。周りをよく見て安全な操作をすることが大切ですが、誤操作による事故リスクを防ぐためにも、安全装置の設置や定期的なメンテナンスを徹底することも重要です。
平車とは?
平車は、平ボディトラックとも呼ばれており、荷台部分が平らな構造を持つトラックのことです。平車の特徴やメリット、デメリットについてそれぞれ詳細を確認していきましょう。
平車の特徴
平車は屋根のないフラットな荷台を持つトラックで、多様な荷物を効率的に運搬できるのが特徴です。
荷台が平らで囲いがないため、形状やサイズに制限されず、長尺物や高さのある荷物の積載が容易に行えます。また、「アオリ」と呼ばれる落下防止柵が付いており、安全性を確保しつつ、左右や後方から荷物の積み下ろしが可能です。さらに、2トン、4トン、10トンなどサイズ展開が豊富で、運送距離や荷物量に応じて選べます。
平車には、高床、低床、全低床の3つのタイプがあります。
- 高床タイプ:前後のタイヤが大きいため、荷台の位置が高くなります。振動が少なく安定した走行が可能なのが特徴です。
- 低床タイプ:後輪のタイヤが小さいため、荷台が低くなっています。これにより荷物の積み下ろしがしやすく、背の高い荷物の運搬にも適しています。
- 全低床タイプ:前後のタイヤが同じサイズで小さいため、荷台の高さは低床タイプとほぼ同じですが、走行時の安定性が向上しています。高床と低床の中間的なバランスの良い仕様です。
平車は屋根や壁がないため、風雨による荷物への影響を受けやすい点に注意が必要です。そのため、防水シートやロープで固定する工夫が求められます。また、振動対策としてタイヤサイズや荷台高さを用途に応じて選ぶようにしてください。
平車のメリット
平車は多様な荷物に対応できる汎用性があり、積み下ろしの効率性が高いため、コストパフォーマンスに優れていることがメリットといえます。荷台に囲いがないことがその理由です。
平車は荷台に囲いがないため、形状やサイズにとらわれず、建材や大型機械、家具など幅広い荷物を運送できます。また、アオリを倒すことでフォークリフトやクレーンを使った積み下ろしが容易になり、作業時間の短縮も可能です。さらに、屋根や壁がない分、車両価格や維持費が安く抑えられるため、コスト面でも優れています。
平車のデメリット
平車は荷物の安全性が低いこと、荷物の落下のリスクが生じることがデメリットです。平車の荷台がオープン構造となっていて、側面がないため、荷積みのバランスが必要となります。
平車は荷台がオープン構造であるため、雨や雪などの悪天候に弱く、荷物が濡れたり汚れたりするのを防ぐためにシートを使用する必要があります。シートをかける作業は肉体負荷
が大きく、大変な作業です。
アオリを超える高さの荷物を積む場合や重量バランスが悪い場合は、走行中に荷物の落下のリスクが生じます。引っ越しなどで重い家具と軽い小物を混載する場合など、重量バランスを考えずに積むと、走行中に事故につながる恐れがあるため注意してください。
高価なものや破損しやすい荷物は、平車での運送は控えたほうがよいでしょう。落下や破損のリスクがあるため、密閉されたトラックを選択することをおすすめします。
ウイング車と平車の違いは?
ウイング車は側面開閉構造であり、平車は荷台に囲いがないという構造上の違いがあります。
ウイング車は荷台の側面が翼のように開閉するため、フォークリフトを使ったパレット荷役が容易で、風雨から荷物を守る密閉構造が長距離輸送に適しています。食品や精密機器など天候や衝撃に弱い荷物の運搬で活躍し、物流センターで効率的に活用されています。
一方、平車は屋根がないため高さや長さのある荷物を積載しやすく、クレーンやフォークリフトを使った積み下ろし作業もスムーズです。建材や大型機械など形状が特殊な荷物の運搬に使用され、建設現場や農業分野で重宝されています。
両車の違いを理解し、用途に応じて車両を選択することが重要です。適切な車両を選択することで、物流業務の効率性と安全性を向上させることにつながります。
ウイング車と平車以外では「幌車(アコーディオン車)」がおすすめ
ウイング車と平車にはそれぞれメリットがありますが、柔軟性とコスト効率を重視するなら「幌車(アコーディオン車)」を選択すると良いでしょう。幌車は軽量で使いやすく、多様な用途に対応できるため、特に中小規模の物流や個人事業者にとって理想的な車両です。
幌車は平車とウイング車の強みを兼ね備えています。屋根がある車両でありながら、屋根を開けることにより、クレーンでの荷役をおこなうことが可能です。また、ウイング車のように屋根を閉じて走ることができるため、平車に必要なシート掛けが不要です。
また、幌車の強みは、軽量さと汎用性の高さです。ウイング車に比べて車体が軽く、燃費が良い特徴があります。
農産物や軽量資材の輸送では、幌車が広く活用されています。軽トラックや小型トラックに幌車を装着することで、荷物を雨風から守りつつ、簡単に積み下ろしが可能です。
幌車には雨風や盗難に対する耐久性の低さという弱点があります。シート素材は完全な防水・防塵が難しく、長期間の使用では劣化のリスクがあるので、車両管理を徹底している会社を選ぶことが重要です。
輸送手段でお困りの際は日新運輸工業へお任せください
ウイング車と平車は、それぞれ異なる特徴と利点を持っているため、荷物の種類や輸送条件に応じて使い分けることが重要です。輸送手段を見直すことで、輸送コスト削減や作業時間短縮につながる可能性があります。
輸送手段に迷った際は、日新運輸工業にご相談ください。お客様のニーズに合った最適なトラックをご提案し、安全・迅速な物流サービスを提供いたします。
まずはお気軽にお問い合わせください。メールでのお問い合わせも可能です。
国内貨物輸送の手間やコストにお困りの人は、日新運輸工業におまかせください!
以下サービスページより国内貨物輸送の問い合わせができますので、ご相談お待ちしております。
まとめ
ウイング車と平車の違いは、ウイング車は側面が開閉できる構造によって効率的な積み下ろしが可能であり、平車はフラットな荷台により多様な荷物に対応できる汎用性があることが大きな違いです。
ウイング車は効率的な積み下ろしと荷物の保護性に優れますが、導入コストが高く、横風の影響を受けやすいデメリットがあります。平車はコストパフォーマンスが高く、短距離運送や特殊形状の荷物に適していますが、荷物の保護性が低い点に注意が必要です。
ウイング車と平車の他にも幌車は軽量で使いやすく、多様な用途に対応できるため、中小規模の物流や個人事業者におすすめです。用途やニーズに応じて適切な車両を選ぶことが、物流業務の効率性と安全性を向上させる鍵となるでしょう。
