鉄道輸送を取り入れるメリットを知りたい人も多いのではないでしょうか。鉄道輸送には、コストや環境の面で様々なメリットがあります。
この記事では鉄道輸送について解説します。鉄道輸送で使うコンテナの種類やモーダルシフトについても解説するので、ぜひ内容を確認してみてください。
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鉄道輸送とは?

鉄道輸送とは、鉄道を用いた輸送方法全般を指します。車扱輸送とコンテナ輸送の2種類がありますが、近年ではコンテナ輸送が主流です。
車扱輸送とは、特定の荷主が貨車をまるごと1両借りて貨物を輸送する方法で、石炭や石油、農産品など、1つの種類の貨物を運ぶのに適しています。近年はコンテナ輸送の発展や石炭輸送量の減少により、大幅に利用が減少しています。
コンテナ輸送は、荷物をコンテナに積んで鉄道で運ぶ輸送方法です。鉄道輸送で最も主流の輸送方法であり、コンテナは規格が標準化されているため扱いやすく、そのままトラックや船に積み替えられます。
鉄道輸送で運ぶ際のメリットとは?

鉄道輸送で運ぶ際のメリットは、以下の4つです。
- 輸送コストを削減できる
- 安定した輸送ができる
- 二酸化炭素の排出量を削減できる
- 2024年問題のドライバー不足にも対応できる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
輸送コストを削減できる
鉄道輸送で運ぶメリットには、輸送コストを削減できることが挙げられます。鉄道輸送では一度にたくさんの貨物を輸送できるので、運行にかかる人件費が少ないのが特徴です。
貨物列車で一度に輸送できる貨物の量は、トラックだと数十台分に相当すると言われています。トラックだと数十人のドライバーが必要になる場合でも、鉄道で運べば数人の乗務員で済むため、人件費を大幅に削減できます。
とくに長距離輸送では、コスト削減効果がより高いとされています。鉄道輸送では、決められた線路の上を基本的に同じ速度で運行するので、加速が少なく燃料の消費が少ないのが特徴です。
トラックで輸送する場合は、道路の形状や混雑状況にあわせて加速や減速が必要になるため、多くの燃料を消費します。1トンの貨物を1キロメートル運んだ場合、鉄道はトラックの5分の1~8分の1程度のエネルギー消費量だと言われています。
安定した輸送ができる
安定した輸送ができることも、鉄道輸送のメリットです。鉄道は決まった線路の上を運行するため渋滞や交通規制がなく、輸送時間の誤差が少ないです。
鉄道輸送では定時運行ができる分、物流計画が立てやすくなります。計画の誤差が少ないと定期的な計画を立てるリスクも減るので、長期的に安定した輸送スケジュールを確立できるでしょう。
日本の鉄道は世界的に見ても発展しており、コンテナを取り扱う貨物駅は全国に約140ヶ所あります。1日に約400本の貨物列車が運行しているので、今後の物流における人手不足解消にも活用が期待されます。
二酸化炭素の排出量を削減できる
鉄道輸送のメリットとして、二酸化炭素の排出量を削減できることも挙げられます。鉄道はトラックに比べると圧倒的にエネルギー効率が高いので、同じ量の貨物を同じ距離運ぶ際の二酸化炭素排出量が格段に少ないです。
国土交通省のデータによると、鉄道輸送における二酸化炭素排出量は、トラックの約10分の1、船舶の約2分の1と言われています。環境に配慮した輸送を行うことが社会貢献や企業イメージの向上にもつながります。
2024年問題のドライバー不足にも対応できる
鉄道輸送を利用することで、2024年問題のドライバー不足にも対応できます。鉄道輸送は一度に大量の貨物を運べるため、トラックドライバーへの依存が比較的少ないです。
「2024年問題」とは、2024年に適用された労働基準法の改正によって、特に長距離輸送でドライバー不足が深刻化する問題です。トラックドライバーの時間外労働の上限が規制されたため、長距離輸送に必要な人員が増えました。
さらに、現代社会ではECサイトの普及により輸送する荷物が増えているため、トラックドライバー不足は加速する一方です。鉄道輸送はトラックドライバー不足解消の手段としても注目されています。
鉄道輸送で運ぶ際のコンテナの種類

鉄道輸送で運ぶ際のコンテナの種類は、以下の3つです。
- 12フィートコンテナ
- 31フィートコンテナ
- 冷蔵・冷凍コンテナ
それぞれの詳細を確認していきましょう。
12フィートコンテナ
12フィートコンテナは、日本の鉄道輸送で最も使われているコンテナです。長さが約12フィート(約3.66メートル)で、汎用性が高いです。
12フィートコンテナでよく運ばれる荷物には、以下があります。
- 工業製品
- 日用品
- 食品
12フィートコンテナの扉は片側扉や両側扉、側面全体が開く扉などがあり、荷物の積み替え作業を効率的に行うために工夫されています。フォークリフトなどを使った積み下ろしが可能です。
31フィートコンテナ
31フィートコンテナは、12フィートコンテナよりも大型のコンテナで、大量輸送や容積の大きな貨物の輸送に適しています。トラックの荷台にそのまま載せられるので、積み替え作業が効率的に行えます。
31フィートコンテナは、以下の荷物を運ぶのによく使われます。
- 家電製品
- 家具
- 建材
- その他大型製品
大量輸送に適しているので、鉄道輸送のメリットを最大限活かすことができるコンテナです。取り扱い駅が限られているので、使用する場合は事前に調べておく必要があります。
冷蔵・冷凍コンテナ
冷蔵・冷凍コンテナは、温度管理が必要な貨物を輸送するために特化したコンテナです。内部に冷却機能を搭載しているので、設定された温度を保ちながら貨物を輸送できます。
冷蔵・冷凍コンテナで運ばれる荷物には、以下があります。
- 生鮮食品
- 医薬品
- 植物
鉄道輸送は特に時間どおり輸送できる手段なので、細かい環境管理が求められる荷物を運ぶのに適しています。安定的に運べるので、地方への食料供給に必要不可欠です。
鉄道輸送で運ぶ際の注意点

鉄道輸送で運ぶ際の注意点は、以下の3つです。
- 積み替え作業が発生する
- 自然災害に弱い
- リードタイムが長くなる場合もある
それぞれについて詳しく解説していきます。
積み替え作業が発生する
鉄道輸送で運ぶ際には、積み替え作業が発生することがあります。鉄道輸送では、鉄道に荷物を載せる際にトラックなどで最寄りの駅に運ばなければなりません。目的地の最寄り駅に到着した後も、再度トラックなどに積み替えて輸送する必要があるので、必ず積み替え作業が発生します。
積み替え作業が発生すると、貨物を損傷する可能性も高まります。鉄道輸送はトラック輸送に比べると振動が少なく、梱包が甘くても大丈夫と思われがちですが、積み替えることを考えて適切な梱包を行いましょう。
自然災害に弱い
自然災害に弱いことも、鉄道輸送で運ぶ際の注意点の1つです。もし線路が災害などで損壊してしまうと、復旧までにかなりの時間がかかります。
特に、台風や土砂崩れ、地震などの大きな災害が発生した場合、運行自体ができなくなります。線路は決まった場所にしかないので代替ルートの確保が難しく、復旧を待つしかありません。
長距離輸送では区間が長いため、自然災害に遭うリスクも高まります。災害時にトラックなどの別の方法で輸送できるようにしたり、貨物保険の利用を検討したりして、リスクに備えておきましょう。
リードタイムが長くなる場合もある
鉄道輸送は、リードタイムが長くなる場合があることも理解しておきましょう。鉄道輸送では他の列車との兼ね合いも考慮した上で運行時刻が決まっているので、トラック輸送に比べると柔軟に対応できず、待ち時間などが発生する場合もあります。
荷物を積み下ろしする必要もあるため、積み下ろしの時間分リードタイムが長いです。緊急性の高い荷物は別の手段で輸送するなど、時間に余裕がない場合は注意しましょう。
今後はモーダルシフトで鉄道輸送の需要が拡大する可能性が高い

モーダルシフトとは、環境への負荷が大きい輸送手段を負荷が小さい輸送手段に転換することで、特にトラック輸送を鉄道輸送や船舶輸送に替えることを指します。モーダルシフトは持続可能な地球環境を守るために近年注目されており、政府も推進しています。
国土交通省のデータによると、1トンの貨物を1キロメートル運ぶ際に排出される二酸化炭素量は、以下の表のとおりです。
| 輸送手段 | 二酸化炭素排出量 |
|---|---|
| トラック(営業用貨物車) | 225グラム |
| 船舶 | 41グラム |
| 鉄道 | 18グラム |
鉄道はトラックだけでなく船舶と比べても二酸化炭素の排出量が少ないことから、モーダルシフトの加速と共に需要が拡大しています。2024年の労働基準法の改正によるドライバー不足も相まって、トラック輸送を鉄道輸送に切り替える動きが進んでいます。
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まとめ

この記事では、鉄道輸送で運ぶメリットについて解説しました。モーダルシフトで需要が高まっている鉄道輸送は、特に長距離輸送に適しています。
鉄道輸送のメリットは以下の4つです。
- 輸送コストを削減できる
- 安定した輸送ができる
- 二酸化炭素の排出量を削減できる
- 2024年問題のドライバー不足にも対応できる
鉄道輸送は線路がある場所にしか運べないので、トラックとの連携が必要不可欠です。鉄道とトラックの輸送の特性をいかして、効果的なモーダルシフトを行いましょう。



