博多港のご紹介 ~九州の玄関口、輸出入から見る博多港の特徴は?~
みなさん、こんにちは!
九州で1番人口が多い都市をご存じでしょうか。そう、福岡市です。2023年10月現在164万人。右肩上がりで増え続けています。観光客も大変多く、大人気の都市です。そんな福岡市にある九州の玄関口、博多港について今回は説明いたします。
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博多港の地理的特徴
博多港は、福岡県の北西部に位置し、三方を陸地に囲まれ、北西に玄界灘に面しています。この地理的特徴により、博多港は風波の影響を受けにくい、非常に安全な良港となっています。港口は狭く、自然の防波堤の役割を果たすため、船舶の停泊に適しています。また、福岡市の中心部に近く、交通アクセスも良好で、九州全域への物流拠点として重要な役割を果たしています。韓国・釜山から約200km,中国・上海から約900kmという地理条件特性を生かし、アジアのゲートウェイを目指して発展しています。
博多港の歴史
博多港の歴史は古く、1世紀に遡ります。西暦57年、博多の地にあった「奴国」の王が後漢の光武帝から金印を受け取ったことがその始まり、といわれています。その後、7~8世紀には遣隋使や遣唐使が博多港から出発し、アジア諸国との交流が盛んに行われました。中世には、日宋貿易や日明貿易の拠点として栄えましたが、元寇(1274年と1281年)によって一時的に衰退しました。戦国時代には豊臣秀吉による「太閤町割り」によって復興しました。
その後、江戸時代には鎖国により海外との貿易が禁じられた一方、日本国内では海上輸送が大きく発展し、博多では「五ヶ浦廻船」と呼ばれる船で日本各地を駆け巡って米や木材などを運び、国内輸送の重要な港として機能しました。
近代に入ると、1899年に博多港は正式に開港し、国際貿易港として再び世界に開かれました。その後も、昭和26年に重要港湾、平成2年に特定重要港湾、平成23年には日本海側拠点港に指定されるなど、現代の近代的貿易港として発展を続けています。
博多港の取り扱い貨物
日本の港湾別コンテナ取扱個数ランキング(2022年)では、博多港は962,682TEUで東京港、横浜港、神戸港、名古屋港、大阪港に次いで6位となっております。下記品目は、コンテナ以外のものも含んでおりますが、博多港の代表的な取り扱い品目をまとめました。
輸出
博多港からの主な輸出品目には、完成自動車、ゴム製品、自動車部品、産業機械などがあります。特に、トヨタやブリヂストンの自動車関連製品が多く、取扱貨物量全体の約半分を占めています。これらの製品は、アメリカ、UAE、サウジアラビア、韓国、マレーシア、中国、台湾などに輸出されています。
輸入
博多港への主な輸入品目には、家具装備品、衣服・身廻品、電気機械、製造食品などがあります。これらの製品は、中国、ベトナム、韓国、香港、タイなどから輸入されています。特に、家具や衣服、電気機械は国内市場での需要が高く、博多港を通じて効率的に供給されています。
博多港の食品輸出
博多港は、食品の輸出においても重要な役割を果たしています。特に、水産物や農産物、加工食品が多く輸出されています。水産物は魚介類やその加工品が多く、農産物は米や果物、野菜などが人気です。加工食品も日本の高品質な製品が海外での需要が高く、博多港から多く輸出されています。輸出先は主にアジア諸国(中国、韓国、台湾など)や北米、ヨーロッパなどです。
食品の輸出を支援するための物流サービスも充実しています。例えば、「つながる便」という小ロット食品の物流サービスがあり、九州各県から集荷した食品を博多港・福岡空港へ効率的に輸送することができます。
博多港コンテナターミナル
博多港には香椎パークポートコンテナターミナルとアイランドシティコンテナターミナルの2つのコンテナターミナルがあります。
香椎パークポートコンテナターミナル
香椎パークポートコンテナターミナルは、総面積209,190平方メートル、岸壁全長600m、水深-13mの施設です。コンテナクレーンは4基あり、コンテナ16列対応2基、17列対応2基が設置されています。蔵置能力は8,013TEU、冷凍コンセントは300口あり、ストラドルキャリア方式で荷役を行っています。
アイランドシティコンテナターミナル
アイランドシティコンテナターミナルは、総面積484,862平方メートル、岸壁全長890m、水深-14m~-15mの施設です。コンテナクレーンは6基あり、コンテナ18列対応が可能です。蔵置能力は28,128TEU、冷凍コンセントは608口あり、トランスファークレーン方式で荷役を行っています。
博多港発着コンテナ船航路
博多港は、アジア・北米など11か国・47地域の主要港と44航路、月間220便(2024年11月1日現在)のコンテナ航路ネットワークで結ばれています。これにより、効率的な一貫輸送が可能となり、九州と世界をダイレクトに結ぶ拠点港として発展しています。具体的な航路例としては、北米航路(バンクーバー、シアトルなど)、東南アジア航路(香港、台北、高雄、ホーチミン、バンコク、ジャカルタなど)、中国航路(上海、寧波、青島、大連、天津など)、韓国航路(釜山、蔚山、光陽など)があります。また、積み替え船を含めれば全世界へ輸送が可能です。
博多港物流 ITシステム/HiTS
博多港では、物流の効率化を図るために独自の港湾物流ITシステム「HiTS(Hakata Integrated Transport System)」を導入しています。このシステムは、輸出入コンテナ情報のリアルタイム照会、着離岸情報の確認、シャトル予約、CY混雑状況の映像配信など、多岐にわたる機能を提供しています。また、海外主要港とのシステム連携も進めており、広州港、深セン港、上海港、台北港、ホーチミン港などと接続しています。これにより、国際物流の効率化と高度な物流管理が実現されています。
まとめ
博多港は、その地理的特徴と歴史的背景から、九州・西日本の海の玄関口として重要な役割を果たしてきました。現代においても、コンテナターミナルや物流ITシステムを活用し、効率的な物流ネットワークを構築しています。輸出入貨物の多様性や食品輸出の支援など、博多港は地域経済の発展に寄与し続けています。今後も、国際貿易港としての役割を強化し、さらなる発展が期待されます。
最後に
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