フェリー輸送で運べるものは?コンテナの種類や輸送の流れを解説

フェリー輸送で運べるものは?コンテナの種類や輸送の流れを解説 マルハナジャーナル!

2024年4月から物流業界に適用された働き方改革関連法により、ドライバーの労働時間が厳しく制限されるようになりました。

その結果、荷主や物流会社の事業者は、今までトラック輸送に頼り切っていた国内貨物輸送を見直す必要があります。

トラック輸送の代わりとなる輸送方法の1つにフェリー輸送があります。

一度に大量の貨物を輸送できたり、コストを抑えられたりとメリットも多い輸送方法です。

この記事では、フェリー輸送で運べるものは何か、運搬方法や運送日数の目安などを解説します。

フェリー輸送に適した商品や運搬方法を知っておけば、トラック輸送よりもコストを抑えて、より多くの貨物を目的地まで輸送することが可能になるでしょう。

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フェリー輸送で運ぶものとは?

フェリー輸送のメリットの1つに、一度に大量の貨物を輸送できることが挙げられます。

トラック輸送のように貨物のサイズや重さを気にすることなく輸送できますが、貨物をそのまま輸送するようなことはありません。

国内のフェリー輸送では、コンテナやトレーラーといった容器に貨物を入れて輸送するのが一般的です。

コンテナ貨物

コンテナとは貨物を入れて輸送するための入れ物の1つです。

コンテナのサイズは規格化されているため、船に無駄なスペースが生まれることもなく、貨物の積み下ろしもスムーズにできます。

コンテナのサイズは、10ft(フィート)や12ft、20ftなどのサイズがあり、コンテナの形状は、貨物によってさまざまな種類から選ぶことが可能です。

トレーラー(荷台部分)

フェリー輸送では、トレーラー(荷台)の付いた車両とドライバーを目的地まで輸送する有人航送と、トラクタ(車両部分)から分離したトレーラーのみを輸送する無人航送の2つの輸送方法があります。

トレーラーの種類はさまざまで、運搬する貨物によって使い分けることができます。

トレーラーで輸送する主な貨物は次の通りです。

  • 原木
  • 鋼材
  • コンクリート製品
  • 液体燃料
  • 粉粒体
  • 自動車

トレーラーはコンテナに入りきれない鋼材や原木などを運ぶのに適しています。

2024年問題対策となる無人航送

無人航送とは貨物を輸送するときにドライバーが乗船せず、貨物の入ったトレーラーのみをフェリー輸送する方法で、2024年問題対策にも有効です。

2024年問題とは、働き方改革関連法によりドライバーの時間外労働が年間960時間に制限されることで、生じるさまざまな問題を指します。

  • 労働時間短縮による輸送能力不足で貨物が予定通り配送できない
  • 時間外労働が制限されることによりトラックドライバーの給料が下がる
  • トラックドライバーの離職が増え、深刻なドライバー不足に陥る
  • ドライバーを離職させないため人件費が高騰し輸送コストが増加する

これら2024年問題の対策として注目されているのが、フェリー輸送の無人航送です。

出典:長距離フェリー輸送の現状と課題│国土交通省

フェリー輸送の無人航送では、ドライバーが乗船しないため、拘束時間や労働時間の短縮につながり、人件費のコストも抑えられます。

例えば出荷元が九州で納品先が関西にある場合、フェリー輸送を選択すると次のようにドライバーを交替して貨物を目的地に配送することが可能です。

出典:長距離フェリー輸送の現状と課題│国土交通省
  1. 九州のドライバーが出荷元からトラクタを使用しトレーラーを港までけん引
  2. 九州の港に停泊しているフェリーにトレーラーを載せてトラクタと分離
  3. 九州のドライバーは分離したトラクタを運転し自社に戻る
  4. トレーラーを載せたフェリーが九州から関西の港に到着
  5. 関西のドライバーが九州から運ばれたトレーラーをけん引し、目的地まで配送

出荷元の九州では、最寄りの港までの配送は九州のドライバー。納品先の関西では、最寄りの港から納品先までの配送は関西のドライバーと使い分けることで、ドライバーの労働時間が短縮でき、他の配送業務にあてることができるでしょう。

フェリー輸送のメリット・デメリット

メリットデメリット
・大量輸送ができる
・コストパフォーマンスがよい
・安全性が高い
・環境への負担が少ない
・輸送にかかる日数が長い
・天候の影響を受けやすい
・フェリーが就航できる港が限られる
・輸送までの手続きが煩雑

フェリー輸送の最大のメリットは、一度に大量の貨物を輸送できることでしょう。

国内貨物輸送量(トンベース)では全体の9割をトラックが占めています。

しかし、輸送距離を含めた輸送の総量であるトンキロベースで見てみると、トラック輸送が60%でフェリー輸送含む船舶輸送の割合は40%を超えます。

大量の貨物を輸送すると、輸送コストも安くなるため荷主にとっても嬉しいポイントです。

またフェリー輸送はトラックや鉄道輸送と比較すると、事故率や損失率が低いのも特徴の1つです。

フェリー輸送含む船舶輸送は、国内輸送であっても厳しい国際基準や規定に合わせています。

その結果、フェリー輸送は安全性の高い輸送方法として認識されています。

一方で、フェリー輸送はトラック輸送に比べると、輸送にかかる日数がどうしても長くなります。

船の速度は、高速フェリーであっても時速約70キロまでしか出ず、速度は鉄道輸送やトラック輸送に及ばないためです。

またフェリー輸送は風による影響を受けやすく、台風の時期は運行スケジュールが大きく変更されることも珍しくありません。

場合によっては納品が数日~数週間遅れることもあるため、日持ちしない生鮮食品などはフェリー輸送に適さないでしょう。

さらに大型フェリー船が停泊できる港は限られているため、納品先に近い港から納品先までの距離が遠い場合もあります。

フェリー輸送に関するよくある質問

フェリー輸送に関してよくある質問とその回答を見ていきましょう。

フェリー輸送の流れとは?

国内のフェリー貨物輸送では、トレーラーやコンテナに貨物を積み込んだまま船舶に載せるのが一般的です。

フェリー輸送の無人航送の流れを見てみましょう。

  1. 出荷先の貨物をトレーラーやコンテナに詰め込む
  2. コンテナやトレーラーをトラクタでけん引し最寄りの港へ
  3. 港に着いたらトレーラーやコンテナをトラクタから分離
  4. 貨物が詰め込まれたコンテナやトレーラーをフェリーに船積み
  5. 海上輸送
  6. 分離したコンテナやトレーラーをトラクタに接続
  7. コンテナやトレーラーをトラクタでけん引し納品先へ

それぞれの工程にかかる時間は、貨物の種類や量に応じて異なります。

そのため、フェリー輸送を選択するときは前もって準備しておくことが大事です。

フェリー輸送の所要日数は?

トラック輸送や鉄道輸送に比べて、フェリーの速度は時速70キロなので、目的地までの所要時間は数十時間に渡ります。

ここからは、片道の航路距離300KM以上の航路に注目して、フェリー輸送の所要日数を見てみましょう。

航路所要時間所要日数
東京~福岡(門司)約35時間2日
東京~沖縄約50時間3日
横浜~福岡(門司)約21時間2日
名古屋~北海道約40時間2日
京都(舞鶴)~北海道(小樽)約21時間2日
新潟~北海道(小樽)約16時間1日
大阪~福岡(門司)約12時間半日

早くて半日、沖縄など距離が長い航路だと最短でも3日かかります。

またここに提示した時間はあくまでも移動にかかる所要日数です。

荷積み作業などを加味すると、フェリー輸送の所要日数はさらにかかることが予想されます。

フェリー輸送費の決定方法は?

フェリー輸送費は、基本運賃と割増運賃の2つの要素から構成されています。

基本運賃とは、車両の大きさなどにより決定される費用です。

フェリー会社が自由に設定できるため、依頼する会社によって費用が大きく異なることもあります。

もう1つの要素が割増運賃(サーチャージ)と呼ばれるものです。

また、近年ではフェリー輸送に欠かせない燃料が高騰化しており、燃料価格の変動に応じて割増料金も増減しています。

輸送量は会社によって異なりますので、コストを抑えるためにも相見積もりをしましょう。

フェリー輸送でお悩みなら日新運輸工業へご相談ください

2024年問題によりドライバーの時間外労働の上限が厳しく規制されることから、物流会社はトラック輸送に代わる輸送方法を検討する必要があります。

数ある輸送方法のうちフェリー輸送は、大量の貨物を一度に目的地へ輸送するのに適した輸送方法です。

しかし、フェリー輸送はトラック輸送や鉄道輸送に比べて、輸送日数が長くなったり、天候の影響を受けやすかったりと課題もあります。

トラック輸送からフェリー輸送に転換するときはしっかり検討する必要があるでしょう。

しかしながら、自社で扱う商品を納品先へ輸送したいときに、輸送手段にフェリー輸送が適しているかどうかを見極めるのは、素人の荷主には難しいでしょう。

日新運輸工業では海上輸送も扱っています。海上輸送に適した貨物の種類や、梱包方法、より効率よく貨物を輸送するための提案や手配などもおこなっています。

フェリー輸送を検討している物流会社や荷主はぜひ相談ご相談ください。

国内貨物輸送の手間やコストにお困りの人は、日新運輸工業におまかせください!

以下サービスページより国内貨物輸送の問い合わせができますので、ご相談お待ちしております。

日新運輸工業の国内貨物輸送サービス

まとめ

2024年以降、物流業界にも働き方改革関連法が適用され、ドライバーの時間外労働が制限されることから、トラック輸送に頼り切っていた国内輸送を見直す動きが出ています。

そこで注目されている輸送手段の1つが、フェリー輸送です。

フェリー輸送は、一度に大量の貨物を輸送できることからコストを抑えられます。

さらにトレーラーのみを輸送できる無人航送ができることから、ドライバーの労働時間短縮やコスト削減の効果も期待できます。

2024年問題の解決への期待が高まるフェリー輸送ですが、輸送日数が長くなってしまうのがデメリットです。

さらに台風などの自然災害では、数日から数週間出港できないこともあります。

そのため自社の貨物をフェリー輸送に切り替えるときは、物流業界のプロに依頼して、自然災害などが発生したときの代替案を提示してもらうのがおすすめです。

プロに依頼することで、自社の貨物を最も適した輸送手段で、効率よく輸送することができるでしょう。