BTA(深穴切削加工)って何?

マルハナジャーナル!

BTA(深穴切削加工)って何?

みなさんこんにちは!

突然ですが、大砲ってかっこいいですよね…漢のロマンだと思いませんか⁉
 (筆者撮影:ハワイ・オアフ島にて)
うおおおおカッコいい!!写真を見るだけで感動してしまいます!でも昔から不思議に思っていたのですが、どうやってこの長い鉄の筒に穴をあけていたのでしょう?実はその秘密、弊社のBTA加工部にありました!
 というわけで今回はBTA(深穴切削加工)について解説していきます!

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BTA加工って何?

BTAとは?

 BTAというのはBoring & Trepanning Associationの略で、現在では各国で規格化され、この名で呼ばれています。日本語では「深穴切削」となります。1940年代にGebrüder Heller社のBurgsmüller氏と Beisner氏によって発明され、主に大砲の砲身に穴をあけるために発明されました。現在ではその正確性から様々な産業機械の加工に利用されています。

 単に貫通した穴を空けるだけではなく、非貫通孔や、材料の中心部を残したトレパニング加工等が可能となっております。

 後述するガンドリル加工が小口径の穴を切削するのに適しているのに対し、こちらは中・大口径の穴を切削するのに適しています。

ガンドリル加工とは?

 ガンドリル加工とは前述のBTA加工より、小口径の穴を鉄材に掘削するのに適している加工方法で、ガンドリルの名の通り小銃の銃口を形成するのに使われていた加工方法です。

写真の通り、単に中心部に穴を空けるだけでなく、任意の場所に施工することが可能です。
また、こちらも貫通孔だけではなく非貫通孔を切削することも可能です。

どうやって加工するの?

 BTA加工・ガンドリル加工ともに基本的には材料にドリルを押し当て、穴を切削していくのですが、この二つの施工方法には若干の違いがあります。

I ドリルと材料どちらを回すのか

 BTA加工では基本的に材料側を回転させて加工を行います。これは、材料側を回転させることにより、真直度(穴が真っ直ぐ空けられる度合)が向上するためです。また、より高速で掘削する必要がある場合には、ドリル側と材料側、両方を回転させ加工を行います。

 ガンドリル加工ではドリルが小径のため、ドリル側を回転させながら材料を切削していきます。

II 切屑の取り出し方の違い

 BTA加工では、切削オイルを加圧し、開けられた穴とドリルの筒(ボーリングバー)の隙間を通って刃物に達し、切屑とオイルを共にボーリングバーを通して外へと輩出して切屑を外へと排出します。そうすることにより、あけた穴の内側に傷をつけず排出することが可能となっています。

 ガンドリル加工ではドリルにオイルを通す穴とV字型の切れ込みがついており、穴から刃先方向へと切削オイルを注入して切削を行います。その後、切屑とオイルはV字型の切れ込みを通して外へと排出される方式となっています。V字型の切れ込みに切屑を流し込むことにより、内部を傷つけずに排出しているということになります。

BTA加工は超精密技術!

 いかがでしたでしょうか?大砲や小銃を作る技術が今はこのような形で産業へと活かされているんですね!もちろん大砲はカッコいいですが、その技術が今は平和的に利用されているのはとても喜ばしいことです。

 今回執筆するにあたり、弊社BTA工場にお邪魔したのですが、みなさんとても集中して仕事に当たっている様子が印象的でした!まさに職人って感じです!

 1個の加工から請け負っておりますので、お気軽にご相談ください!

BTA加工部提案書(GD)