ベトナム向けに食品輸出する際の規制は?手続きや書類についても解説

マルハナジャーナル!

ベトナム向けに食品輸出する際の規制について気になっている人も多いのではないでしょうか。日本食の人気が高まるベトナムですが、食品安全法に基づく成分や包装、ラベル表示などの厳格な規制が存在します

この記事では、ベトナム向けに輸出する際の規制について解説します。手続きや書類についても紹介するので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

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ベトナムへ食品輸出する際に注意するべき規制とは

ベトナムへ食品輸出する際に注意するべき規制は、成分・食品添加物についての規制、包装・容器についての規制、ラベル表示についての規制です。

それぞれ詳細を確認していきましょう。

成分・食品添加物についての規制

ベトナムでは、食品の成分として農薬、動物用医薬品、重金属(ヒ素、カドミウムなど6種類)の残留許容量が厳しく定められています。法令外の残留は認められず、日本産食品でも遵守が必要です。

成分に関しては、2026年1月に完全施行の通達で、栄養成分(エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウム)のラベル表示が義務化されました。

食品添加物はポジティブリスト制で管理されており、リスト掲載の添加物とその食品ごとの最大許容値のみ使用可能です。ポジティブリスト制は使用が許可された物質のみをリスト化し、それ以外は原則的に輸出入、使用、販売が禁止される規制です。

ベトナム現地で成分分析証明書を取得し、保健省に提出してください。日本の自由販売証明書と併用することで、食品安全証明書の取得がスムーズになります。

包装・容器についての規制

ベトナムでは、食品包装・容器は国家技術規格の品質基準を満たす必要があります。プラスチック、ゴム、紙など素材ごとに異なる規格が定められており、食品に有害物質や異臭を移行させない安全性が求められる仕組みです。

管轄省庁は食品の種類によって異なります。例えば、加工食品の包装は保健省、飲料は商工省が監督しています。食品に直接接触する容器については、事前の自己申告が義務付けられている点は理解しておきましょう。

2026年2月に施行された新政令により食品安全管理が強化されましたが、現場の混乱を受けて4月15日まで運用が停止されています。移行期間中は最新情報を都度確認してください。

輸出前には、包装材の適合証明書(COA)を取得しましょう。これで現地検査にスムーズに対応できます。併せてベトナム語ラベルを準備し、JETROのガイドを参考にサプライヤーと規格を共有するとよいでしょう。

ラベル表示についての規制

ベトナムでは、包装食品のラベルに商品名、内容量、原材料名、製造者情報、賞味期限などの必須項目をベトナム語で記載する必要があります。英語の併記は補助的に認められていますが、ベトナム語表示が優先です。

2026年1月1日より、新しい栄養表示ルールが全ての包装食品に完全適用されます。必須となる栄養成分表示は、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、ナトリウムです。また、加糖飲料や揚げ物については、糖類や飽和脂肪酸の追加表示も求められます。

アレルゲンや原産国の表示についても、保健省の基準に従う必要があります。虚偽記載は罰則の対象となるので注意してください。なお、新政令の混乱により一部運用が停止されていますが、ラベル規制自体は継続して適用されています。

栄養分析は現地の検査機関で実施し、ベトナム語ラベルを印刷してください。JETROのテンプレートや専門業者を活用すると、多言語対応を効率的に進めることができるでしょう。

品目別・ベトナム向け食品輸出で必要な手続き

ベトナムへの食品輸出では、品目ごとに必要な手続きや提出書類が大きく異なります。青果物、畜産物、水産物といった主要品目別に具体的な手続きの流れを解説します。

ベトナム市場への参入を検討されている事業者の方は、品目に応じた要件を事前に確認し、スムーズな輸出準備にお役立てください。

青果物

ベトナム向け青果物輸出には、ベトナムの厳格な植物検疫基準を満たすための書類が必要です。日本から輸出する場合、植物保護局の許可品目リスト掲載品(りんご、なし、レタスなど)に限定され、専用検疫条件をクリアしたもののみ対象となります。

主な必要書類は以下の通りです。

  • 植物検疫証明書:植物防疫所交付で、病害虫非付着を証明(低温処理が必要な場合あり)
  • 自由販売証明書(CFS):品目の安全性を裏付け
  • その他:インボイス、パッキングリスト、原産地証明書(通関時必須)

植物保護局の最新許可リストを確認し、植物防疫所で検疫証明を取得、民間施設で必要処理を実施してください。JETROの輸出支援窓口を活用し、現地輸入者と連携してラベル表示(日本語併記推奨)や施設登録更新を進めましょう。

畜産物

ベトナム向け畜産物輸出には、ベトナムの厳格な衛生基準(施設登録必須)を満たすための書類が必要です。日本から輸出する場合、農務省(MARD)承認施設由来の畜産物(牛肉・豚肉・鶏肉、加工肉など)に限定されます

主な書類は以下の通りです。

  • 動物検疫証明書・獣医衛生証明書:農林水産省交付で、衛生適合性を証明(BSE証明は牛肉の場合必須)
  • その他:インボイス、パッキングリスト、原産地証明書(通関時必須)
  • 施設登録証明:MARD承認済みを確認(有効期間5年、更新必要)

農林水産省で証明書を取得し、ベトナム当局の施設登録・現地査察をクリア、民間検査で残留農薬チェックを実施してください。JETROやNEDOの支援窓口を活用し、現地輸入者と連携してラベル表示(ベトナム語必須)や商品登録を進めましょう。

水産物

ベトナム向け水産物輸出には、ベトナムの厳格な衛生基準(施設登録必須)を満たすための書類が必要です。

主な品目として、冷凍魚介類(サーモン、マグロ、エビ)、イカ、ホタテなどが人気で、日本側施設はベトナム当局の衛生査察を通過する必要があります。登録は5年有効ですが、更新忘れで輸出中断の事例が多いため注意が必要です。生鮮品より冷凍加工品が輸送しやすく、規制緩和が進んでいます。

主な書類は以下の通りです。

  • 水産検疫証明書・獣医衛生証明書:農林水産省交付で、衛生適合性を証明(抗菌残留分析証明必須)
  • その他:インボイス、パッキングリスト、原産地証明書(通関時必須)
  • 施設登録証明:MARD承認済みを確認(有効期間5年、更新必要)

農林水産省で証明書を取得し、ベトナム当局の施設登録・衛生査察をクリア、冷凍温度(−18℃以下)管理を実施してください。JETROやJFTCの支援窓口を活用し、現地輸入者と連携してラベル表示(ベトナム語必須)や商品登録を進めましょう

ベトナムへの輸出が禁止されている食品

ベトナムへの完全な「食品の輸出禁止品目」は少なく、残留基準違反や施設未登録品目が事実上の輸入拒否につながります

主な輸出制限・実質禁止要因は以下の通りです。

  • 食品添加物:ベトナム規定のポジティブリスト未掲載添加物は使用・輸入不可。
  • 残留基準違反:農薬、動物用医薬品、重金属(ヒ素、カドミウムなど)の基準超過品は輸入拒否。有毒菌類・微生物も同様。
  • 施設未登録品:果物、水産物、食肉の未登録施設生産品は通関不可。

輸出前にはJETROやベトナム植物保護局・農務省リストの確認が必須です。違反時は全廃棄・罰金のリスクがあるため、事前対策でリスク回避をしておきましょう。

ベトナムへ食品輸出する際に必要な書類

ベトナムへ食品を輸出する際には、複数の書類提出が求められます。輸出で共通する基本書類、食品特有の必要書類、品目別で必要となる書類の3つに分けて、それぞれ詳しく解説します。最後まで確認してみてください。

輸出で共通する基本書類

食品輸出をスムーズに行うには、まず輸出で共通する基本書類を正確に揃えることから始めましょう。ベトナム向け食品輸出で共通する基本書類は以下の通りです。

  • インボイス(商業送り状):商品名、数量、単価、総額を明記する請求書です。売買契約書のコピーも併用し、金額の整合性を証明します。
  • パッキングリスト:梱包内容、重量、容積を詳細に記載します。コンテナ単位での内訳が必要です。Excelのテンプレートを活用すると効率的に作成できます。
  • 船荷証券(B/L)または航空運送状(AWB):荷物を引き換えるために必要な書類です。運送会社に発行依頼し、海上・航空輸送の正式書類として輸入側に引き渡されます。
  • 原産地証明書(C/O):日本製であることを証明する書類で、商工会議所が発行します。日本・ベトナムEPA活用で関税減免が可能ですが、形式証明が必要です。

書類はベトナム語訳を準備し、原本・コピーの必要部数を確認してください。

輸出申告時には電子データ化することがおすすめです。紙ベースだと手間がかかりエラーが起きやすい一方、電子化(NACCSシステム使用)では自動チェックが可能になりミス低減につながるでしょう。

食品特有の必要書類

ベトナム向け食品輸出では、基本書類に加えて食品特有の必要書類があります。これらは食品安全基準適合と衛生管理を証明するもので、未提出だと通関拒否となります

食品特有の必要書類は以下の通りです。

  • 自由販売証明書(CFS):日本で普通に売られている安全な食品であることを保健所が証明する書類です。英語版を大使館で認証し、ベトナム語訳と原本3部を用意して3ヶ月以内に使用します。
  • 施設登録証明:加工工場がベトナム政府(MARD)に登録済みで衛生基準をクリアしていることを保証します。農水省経由で年1回更新し、衛生証明書に番号を記載します。

書類有効期限(通常3ヶ月以内)を厳守し、専門フォワーダーや代行業者に相談するとよいでしょう。書類不備を防げ、通関トラブルを最小限に抑えられます。

品目別で必要となる書類

食品特有書類に加え、品目ごとに検疫・衛生証明が追加で必要です。これらはベトナム当局の輸入基準を満たすために欠かせず、未提出では即時輸入拒否となります。

  • 植物検疫証明書:青果物(りんご、なしなど)の輸出時に病害虫非付着を証明するために必要です。植物防疫所で検査後発行され、低温処理証明や残留農薬分析も追記されます。
  • 動物検疫証明書・獣医衛生証明書:食肉・畜産物の輸出時に食品安全と疾病非存在を証明するための書類です。農林水産省経由で申請し、牛肉はBSEフリー証明を明記する必要があります。
  • 水産検疫証明書:水産物の輸出時に衛生基準適合を証明するために必要です。水産庁に登録された施設で発行され、抗菌剤残留分析や冷凍温度証明(-18℃以下)を添付します。

品目別要件は変動するので、農水省・JETROの最新情報を確認してください。

ベトナムへ食品輸出する流れ

ベトナムへ食品を輸出する際には、契約から代金回収までの一連の流れを正しく理解することが重要です。売買契約を結ぶ段階から、輸出手続き・輸送をするプロセス、そして代金を支払う決済までの流れを、ステップごとに詳しく解説します。

売買契約を結ぶ

ベトナムへ食品輸出する流れでまず最初に行うのが、売買契約を結ぶことです。取引リスクを最小限に抑えるために重要です。

売買契約書を通じて双方の権利と義務を明確にすることで、支払い遅延やクレーム対応といったトラブルを防ぐことができます。特に食品は品質・鮮度・輸送条件の影響を受けやすいため、品質基準や納期、輸送責任の範囲を細かく明記することが不可欠です。

例えば、インコタームズ(国際商業会議所が定めた貿易条件)を活用すれば、輸送費負担やリスク移転のタイミングを明確にできます。また、契約には価格通貨、支払条件、検品方法、クレーム対応フローなども盛り込むことで取引の透明性を高められます。

売買契約書は英語訳だけでなく、ベトナム語訳も準備することがおすすめです。ベトナムでは現地当局や買い手が母語での確認を求めるケースが多く、早期の信頼構築につながるでしょう。JETROのサンプル契約書を参考にすれば、初めてでも安心して作成できます。

輸出手続き・輸送をする

売買契約を結んだ後は、輸出手続き・輸送を行います。特に食品は品質劣化のリスクが高いため、書類と物流の両面から管理することが重要です。

輸出手続きでは、インボイスやパッキングリスト、船荷証券(B/L)または航空運送状(AWB)などの基本書類に加え、品目や制度によっては検疫証明書や原産地証明書などが求められる場合があります。事前にHSコードや対象商品の区分を確認し、どの書類が必要となるのかを整理しておくことが不可欠です。必要書類は制度変更の影響も受けるため、最新情報をチェックしておきましょう。

輸送については、冷蔵・冷凍品を含む多くの食品で温度管理が重要なテーマとなります。一般的には海上輸送が選ばれることが多いものの、鮮度が重視される商品では航空輸送が採用されるケースもあります。例えば冷凍品では、一定温度を維持できるコンテナや設備を利用することが多く、輸送条件や責任範囲をあらかじめ取り決めておくことでトラブルを減らせます。

初めてベトナム向けに食品を輸出する場合は、国際物流を扱うフォワーダーや専門事業者に相談することをおすすめします。必要書類の整理や通関手続き、最適な輸送方法の選定まで一括でサポートしてもらえるため、自社の負担を軽減しつつ、実務上のミスや遅延リスクの抑制にもつながるでしょう。

代金を支払う

最後に代金を支払います。信頼性と資金回収を決定づける重要な最終工程です。国際取引特有のリスクを回避するため、適切な決済方法の選択が不可欠です。

支払条件の設定が重要で、一般的な方法として前払い(T/T)、信用状(L/C)、請求書払い(D/P、D/A)があります。食品輸出では、納品後の品質クレームリスクを考慮し、L/C(信用状)が多く選ばれます。代金支払い側(輸入者)にとっても、船積書類の確認を通じて商品到着前に支払いを確実化でき、銀行が保証するため安心です。契約時にインコタームズと連動させ、支払時期や金額を明確に定めておきましょう。

リスク軽減のため日本貿易保険(NEXI)の輸出FOB保険などを活用しましょう。未払い発生時も補償が受けられ、中小企業は事前相談でキャッシュフローを安定化できます。

ベトナムへの食品輸出でお困りの際は日新運輸工業へお任せください

ベトナムへの食品輸出では、厳格な書類準備や規制遵守が大きな負担となります。成分分析証明や検疫証明書、施設登録、ベトナム語ラベル作成など、手間がかかる作業が山積みです。新政令の変更もあり、混乱することもあるでしょう。

そんな課題を、日新運輸工業がしっかりサポートします。常温・冷蔵・冷凍対応の輸送プランをカスタマイズ提案し、海上・航空輸送の手配から通関業務まで一括対応が可能です。ベトナム規制に詳しい通関士が、CFSや原産地証明などの書類をスムーズに整えます。

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まとめ

この記事では、ベトナム向け食品輸出の際の規制について解説しました。

ベトナムへ食品輸出する際に注意するべき規制は、以下の通りです。

  • 成分・食品添加物についての規制
  • 包装・容器についての規制
  • ラベル表示についての規制

加えて、品目別(青果物・畜産物・水産物)に施設登録・検疫証明が必要です。

手続きの際には、共通する基本書類と食品特有の書類を揃え、品目別で必要となる書類も準備しましょう。基準違反品は輸入拒否リスクが高いため、JETRO確認をおすすめします。

書類や規制遵守の負担が大きい場合、専門の物流・通関業者にサポートしてもらうのも一つの手です。輸送コスト削減や貿易ミス防止、業務効率化が図れ、スムーズな輸出継続とベトナム市場での安定成長が実現するでしょう。