分割することができない2メートル以上の長尺物は、輸送時に細心の注意が必要です。
固縛が弱かったり運転時の振動が大きかったりすると、荷崩れや落下のリスクがあり、大きな事故につながる可能性があります。
長尺物の輸送を依頼する場合は、経験豊富で法律や規定を遵守する業者を選ぶ必要があります。
この記事では、長尺物(ポールトレーラー)輸送とは何か、ポールトレーラーの車体構造や輸送時の注意点を解説します。
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ポールトレーラーの長尺物輸送とは?
長尺物とは、2メートルを超える貨物のことで、具体的には次のようなものを指します。
- 板材
- 棒材
- パイプ
- 鋼材
- 木材
- 電柱
- 鉄道車両
長物(ながもの)と呼ばれることもあり、なかには長さが10メートル以上になる貨物もあります。
長尺物を輸送する際には、ポールトレーラーなど長尺物専用の車両を使用するのが一般的です。
長尺物輸送は、通常の貨物に比べて取扱が難しく、運搬時にはさまざまなリスクが伴います。
たとえば輸送中に長尺物の荷崩れを起こしてしまうと、長尺物そのものが破損する可能性があるでしょう。
さらに長尺物が道路上に落下することで、二次被害を発生してしまう場合もあります。
長尺物輸送は、通常の貨物輸送よりも細心の注意を払う必要があるため、業者選びは慎重に行う必要があります。
長尺物輸送に適したポールトレーラーの車体構造
ポールトレーラーは長尺物を輸送するのに適した車両で、けん引を行うトラクターと連結して長尺物を輸送します。
長尺物輸送に適したポールトレーラーの車体構造を詳しく見ていきましょう。
ポールトレーラーの長さ・寸法
ポールトレーラーの大きな特徴は、架台の長さを伸縮できることです。
輸送する長尺物の種類や大きさ、トレーラーによって長さを自由に調節することができます。
長尺物でも長さが2メートル前後のもので重量も小さいものであれば、荷台を伸長せず一般車両として輸送することが可能です。
一方で、長尺物でも長さが20メートルを超えるものは、一般車両ではなく特殊車両扱いになります。
そのため、特殊車両通行許可証の取得が必要になります。
ポールトレーラーの架台
ポールトレーラーの架台は、輸送する貨物の長さによって自由に伸縮することが可能です。
輸送する長尺物の長さに合わせて、数メートルから数十メートルまで架台の長さを調節できます。
また、架台は長尺物を安全に輸送するため頑丈につくられており、貨物をしっかりと固定するスタンションと呼ばれる部品が付いていることもあります。
スタンションとは、荷台の端に設置されている、荷崩れ防止用の棒のことです。木材や鋼材など長さがあり、転がりやすい貨物を輸送する際に使用されます。
ポールトレーラーの積載重量・最大積載量
ポールトレーラーの車種により積載重量や最大積載量は異なり、車検証を確認すればわかるようになっています。
確認するときは、最大積載量の「[ ]」で囲まれた数量を確認しましょう。
「[ ]」で囲まれた数字は、長尺物を満積にしたときにトラクターとトレーラーの連結器であるカプラーが耐えられる重さです。
最大積載量以上の重量になると、過積載となり取り締まりの対象となるだけでなく、事故のリスクが高くなります。
長尺物を輸送する際には、最大積載量を確認し過積載にならないよう十分注意しましょう。
長尺物(ポールトレーラー)輸送をするのに必要な資格・許可
長尺物輸送するのに使用するポールトレーラーは、トラクター部分とトレーラー部分で車両区分が異なります。
ポールトレーラーのトラクター部分は大型自動車、トレーラー部分は大型特殊自動車に分類されます。
通常、特殊車両を運転する際には、大型特殊車両の免許が必要です。しかし、ポールトレーラーは、大型特殊車両の免許は不要で大型自動車免許とけん引免許があれば運転できます。
ただ大型特殊免許が不要だといっても、特殊車両であることは変わりません。
長尺物輸送の際は特殊車両通行許可証が必要になるため事前の申請を忘れないようにしましょう。
また、長尺物を運搬する際には、貨物の落下や接触による事故が発生したときに被害を最小限に抑えるため、夜間通行や誘導車の同行が必要になることも少なくありません。
長尺物輸送の際には、特殊車両通行許可証の走行条件をしっかりと確認して、安全に目的地へ輸送するようにしましょう。
長尺物の(ポールトレーラー)輸送をする時の注意点
長尺物輸送は、事故を引き起こすと被害が大きくなりがちです。ここからは、長尺物のポールトレーラー輸送時の注意点を詳しく見ていきましょう。
内輪差などの事故につながらないようなルート選定をする
長尺物輸送をする際には、内輪差などの事故につながらないようなルート選定をする必要があります。
長尺物を輸送する時に使用するポールトレーラーは、ホイルベースが長いため、内輪差を誤ると事故を引き起こす可能性があります。
具体的な内容は以下のとおりです。
【内輪差による事故】
- 歩道への乗り上げ
- 排水溝への脱輪
- 壁や塀にボディを擦るなどの破損事故
- 歩行者や自転車、バイクを巻き込む事故。
人身事故など大きな事故につながる可能性があります。
人身事故でなくても、内輪差で歩道に乗り上げたり、排水溝に脱輪してしまったりしたら、衝撃により長尺物が道路上に落下してしまう恐れもあるでしょう。
内輪差による事故を防ぐためにも、できる限りカーブが少なく内輪差が最小限に抑えられるルートを選定する必要があります。
またポールトレーラーは、特殊車両に該当するため長尺物を輸送する際には、事前に特殊車両の申請を行い、許可書を取得しましょう。
特殊車両の許可書を取得する時に、通行条件が提示されるため、記載されている内容に従い目的地まで輸送します。
ポールトレーラーの運転実績があるドライバーに輸送を依頼する
ポールトレーラーで長尺物輸送をするときには、運転実績が豊富なドライバーに依頼するようにしてください。
運転実績のあるドライバーに輸送を依頼すれば、事故のリスクも下げられるでしょう。
また、長尺物のサイズによっては、事前に特殊車両通行許可の申請手続きが必要になります。
運転実績が少ない業者に依頼すると手続きに手間取ってしまう恐れがあります。
手続きに手間取ってしまうと、納期までに長尺物をお客様の元に届けられなくなる可能性も。
このような事態を避けるためにも、業者を選ぶときには費用の安さだけでなく、ドライバーのポールトレーラーの運転実績や業者の長尺物輸送実績を確認しておきましょう。
長尺物をしっかり固縛する
長尺物輸送をする際には、荷台に長尺物をしっかり固縛しましょう。
固縛が弱いと輸送時に長尺物が落下して破損してしまうだけでなく、道路上に落下して二次被害を発生させてしまう恐れがあります。
具体的には次のような事故を引き起こします。
- 長尺物が他の車両や近くの建造物に接触し損傷する
- 長尺物が歩行者に接触し大けがをさせてしまう
- 長尺物が道路を塞ぎ他の一般車両の事故を引き起こす
場合によっては、人の命を脅かす危険な事故を引き起こしてしまうこともあるため注意が必要です。
また、長尺物は長さだけでなく、重量も大きい場合があります。
重量が大きい長尺物は扱いが難しいため、荷役作業中も建物や作業員に接触しないよう十分な注意が必要です。
長尺物(ポールトレーラー)輸送に関するお悩みは日新運輸工業にお任せください
長尺物輸送は、貨物の長さによっては特殊車両通行許可の申請手続きが必要になります。
また長尺物のサイズが大きければ大きいほど事故リスクが高まるため、安全にも十分配慮する必要があるでしょう。
長尺物の荷積みや荷下ろしでは、クレーンを使用しなければならないことも多く、自社で長尺物を輸送する場合は、クレーンの技術習得も必要になります。
このことから、長尺物を製造し自社輸送するのは難しいでしょう。
長尺物(ポールトレーラー)輸送に関するお悩みは日新運輸工業にお任せください。
物流のプロである日新運輸工業に依頼すれば、長尺物輸送の経験が豊富な業者を手配できるのはもちろんのこと、安全に貨物を輸送するためのサポートもできます。
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まとめ
分割することができない2メートル以上の長尺物は、サイズや重量、種類によって特殊車両の通行許可申請が必要になるケースも少なくありません。
長尺物は輸送中に建物に接触したり落下したりしてしまうと、一般車両や人を巻き込む大きな事故になる可能性もあり大変危険です。
そのため、長尺物輸送を業者に依頼するときには、コスパだけではなくドライバーの運転実績や業者の長尺物輸送実績などを確認してから依頼しましょう。
長尺物輸送は危険で事故リスクが高いからこそ、輸送コストも高くなりがちです。そのため、できるだけ安く輸送してくれる業者を探したいと考える事業者もいるかと思います。
しかしながら、事業者が日常業務をしながら、新たな委託業者を見つけるのは至難の業です。
長尺物の輸送実績が豊富でかつ今よりも安い費用で請け負ってくれる業者を選びたいならば、自社だけでなくプロに相談や依頼をするのがおすすめです。
長尺物輸送でお困りの方は、日新運輸工業へご相談ください。
日新運輸工業は、物流のプロなのでサイズの大きい長尺物を輸送できる業者をすぐに手配できます。
また特殊車両通行許可が必要な場合も、許可申請等の手続きをスムーズに進めることができるので、長尺物をスケジュール通り納品先に輸送することが可能です。
日新運輸工業に長尺物輸送の手配を任せることで、長尺物輸送のリスクを低減させることができ、業務を円滑に進めることができるでしょう。