コイル輸送は金属の種類によって重量が大きくなるため、輸送時には細心の注意が必要です。
コイルの固定や縛り付けが緩いと、落下や転落のリスクがあり大きな事故につながる可能性があります。
また、コイル輸送を依頼するときは、法律や規定を遵守している業者を選択するようにしましょう。
この記事ではコイル輸送について詳しく解説します。輸送方法や注意点、輸送業者を選ぶときのポイントも紹介するので、詳細が気になる人は内容を確認してみてください。
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コイル輸送とは
コイル輸送とは、ロール状の金属材料を目的地まで運ぶことです。
金属材料は、加工しやすいようプレス加工で薄い板にして、ロール状に巻いてから輸送されます。
コイルは金属板を何重にも巻いているため、重量が大きいのが特徴です。
金属の種類にもよりますが、1ロール当たりの重さは約1〜2トン、大きいものでは19トンになるものもあります。
そのため、コイル輸送は重量物輸送として取り扱われ、特殊車両によって運ばれることも珍しくありません。
コイルの輸送手段
コイルの輸送手段は、トラック輸送がメインですが、納期によっては航空輸送を選択する場合もあります。
ここからは、重量物輸送として取り扱われるコイル輸送手段を詳しく見ていきましょう。
トラック輸送
コイルの輸送手段はトラック輸送がメインです。
しかし、コイルは1ロールあたり約1〜2トン、金属材料によっては約19トンになるものもあるため、特殊車両の許可が必要になる場合があります。
コイルのサイズが小さくても、コイルの重量とトラックの重量を合わせた総重量が20トン以上になると、特殊車両扱いになるため許可申請が必要です。
また総重量が20トン以下でもコイルのサイズが大きいと、高さや幅が車両の制限を超え、特殊車両扱いとなるケースもあります。
コイル輸送をトラック業者に依頼するときには、特殊車両を取り扱っているか、またコイル輸送の実績があるかを確認するのを忘れないようにしましょう。
航空輸送
コイルの輸送手段のメインはトラック輸送ですが、緊急性が問われる輸送の場合、航空輸送によってコイルが運ばれるケースもあります。
コイルを航空輸送で運ぶ場合、費用が高額になるのはもちろん、輸送の手間がかかる点も特徴です。
コイルを航空輸送する際には、輸送途中にコイルが脱落して機体やコイルを破損しないよう、強固に固縛しなければなりません。
また、貨物用の航空機は、高さや幅・重量には制限が設けられており、大型のコイルや超重量のコイルを輸送するのが難しい場合もあります。
このことから、コイル輸送で航空輸送を選択する際には、事前にコイル輸送業者への問い合わせが必要です。
コイルの輸送の注意点
コイルの種類によっては、重量貨物に当たるため輸送時はもちろんのこと、荷役にも細心の注意を払わなければなりません。
また、雨風にさらされると、錆びや破損の原因にもなります。ここからは、コイル輸送時の3つの注意点を詳しく見ていきましょう。
コイルは重量物なので落下や転落に注意する
コイル輸送で荷役作業をするときは、コイルの落下や作業員の転落に十分注意しましょう。
ロール型の金属材料であるコイルは、1ロールあたり1トン以上と重量があるだけでなく、サイズも大きいためです。
過去には、コイルを固縛する荷役作業中に作業員が落下したり、コイルを機械で持ち上げるときに固縛が緩んで地面に脱落してしまったりする事故が発生しています。
コイルの積み下ろし時は、コイルが落下しないよう細心の注意を払い、作業員の安全を確保するようにしましょう。
振動でコイルが転がらないよう固定する
コイル輸送をするときは、輸送時の振動でコイルが転がらないようトレーラー等にしっかり固定しましょう。
コイルは重いだけでなく、丸い形状なので固定が緩いとコイル同士がぶつかって破損してしまう恐れがあるためです。
また輸送時の振動でコイルが転がり道路に脱落してしまうと、一般車両を巻き込む大きな事故につながる恐れもあります。
コイル輸送時の荷役作業では、コイルの固縛を強固にするのはもちろんのこと、転がらないよう木枠で固定するなどの対策が必要です。
コイルの表面が傷つかないよう梱包する
コイル輸送をするときは、コイルの表面が傷つかないようコイルの表面を梱包しましょう。
金属材料によっては、コイルが外気や湿気に触れて錆びついてしまったり、輸送時に力が加わり凹んでしまったりすることがあるためです。
海外輸送の事例ですが、過去に日本からオーストラリアへスチールコイルを海上輸送するときに、除湿機能を付けず、さらに梱包が甘かったことから輸送中に錆びついてしまうトラブルが発生しています。
このトラブルでは、日本側の輸送会社に責任が問われる国際裁判が発生しており、発送を依頼した荷主側も一部責任があるとされています。
海外輸送の事例で示したようにコイル輸送時は、梱包もしっかりしないと商品に錆びや傷がついてしまうため、荷主は業者選びをしっかりと実施する必要があるでしょう。
コイル輸送を依頼する業者の選び方のポイント
コイル輸送は、金属材料の種類によって、重量やサイズが大きくなるため、荷役作業や輸送時の事故リスクが高まります。
また固定が緩いと輸送時にコイルが脱落し、一般車両を巻き込む大きな事故につながるため注意が必要です。
そのため、荷主はコストを重視しすぎて、適切でない業者に依頼してしまうと事故を発生させたり、納期が間に合わなかったりと大きなリスクを負ってしまう恐れがあります。
ここからは、コイル輸送を依頼する業者の選び方のポイントを3つご紹介します。
特殊車両の取り扱いができるか確認する
コイル輸送を依頼する業者を選ぶときには、特殊車両での輸送を取り扱っている業者を選びましょう。
コイルは金属の種類によってトレーラーなど特殊車両で輸送する必要があるためです。
特殊車両の申請許可は、前もって実施する必要があり、慣れている業者でないと手間や時間がかかってしまう恐れがあります。
特殊車両を扱っている業者は、許可申請の実績も豊富なので、納期までに必要な手続きを済ませてくれるでしょう。
トラック業者の多くは、業者のサイトに扱っている車両を提示しています。
まずは業者のサイトで特殊車両の取り扱いの有無を確認しましょう。
業者のサイトがない場合は、直接業者に問い合わせて特殊車両の取り扱いの有無を尋ねるのも1つの方法です。
コイル輸送の実績が豊富な業者に依頼する
コイル輸送を依頼する業者を選ぶときには、コイル輸送の実績が豊富な業者を選びましょう。
コイル輸送は、輸送する金属材料によって重量物貨物となるので、荷役作業で固定や縛り付けをしっかり実施しないと、大きな事故につながる可能性があるためです。
経験豊富な業者は、荷役作業の技術も高いため、コイルの積み込みや積み替えなど荷役作業の時間も大幅に短縮できる可能性があります。
依頼しようとしている業者が実績豊富かどうか確認するには、業者のサイトを確認するとよいでしょう。
会社概要で設立年数はもちろんのこと、実績豊富な業者はコイル輸送の請負件数などを数値で表記していることも多いので合わせて確認しましょう。
もし、業者のサイトがなかったり、実績が掲載されていなかったりした場合は、問い合わせするときに直接尋ねるのも1つの方法です。
さまざな輸送手段に対応できるかも確認する
コイル輸送を依頼する業者を選ぶときは、トラック輸送だけでなくさまざまな輸送手段にも対応できる業者を選びましょう。
一方で、近距離で重量やサイズが小さい金属コイルを少量輸送する場合は、トラック輸送のみで事足ります。
このようにケースバイケースで最適なコイルの輸送手段は変わるので、さまざまな輸送手段を選択できる業者を選ぶと臨機応変に対応できるでしょう。
コイル輸送に関するお悩みは日新運輸工業にお任せください
コイル輸送は、重量貨物のため場合によっては特殊車両が必要になることもあります。
重量が大きくなればなるほど、荷役作業や輸送時の事故リスクが高くなるため、安全にも十分配慮する必要があるでしょう。
また、金属の種類によっては、超重量貨物になるため、輸送距離やコストダウンを考え、さまざまな輸送手段を組み合わせて目的地まで輸送しなければならないこともあります。
荷主がコイル輸送の手配を通常の業務を実施しながら、自社で行うのは至難の業です。
コイル輸送に関するお悩みは、日新運輸工業にご相談ください。
物流のプロである日新運輸工業に依頼すれば、コイルの金属の種類や目的地までの距離、納期によってさまざまな輸送手段のご提案や手配ができます。
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まとめ
コイル輸送は、金属の種類によって重量が大きかったり、コイルのサイズが大型になったりするため、特殊車両の許可が必要になるケースも少なくありません。
また、形状も丸いため、固縛が強固でないと荷役作業中に落下して作業員に怪我を負わせてしまったり、輸送中に脱落して一般車両を巻き込む事故が発生してしまったりする恐れがあり大変危険です。
そのため、コイル輸送を業者に依頼するときは、コスパだけでなく実績数やドライバーの人数などを確認してから依頼しましょう。
また、事業主が日常業務をしながら、コイル輸送の業者選びをするのは大変です。
信頼できるコイル輸送の業者を選びたいならば、自社だけでなくプロに相談や依頼をするのがおすすめです。
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