パレット輸送とは？利用するメリットや最大限活かす方法も解説

パレット輸送について知りたい人も多いのではないでしょうか。パレット輸送を利用すると、大量の荷物を効率的に運べるようになります。

この記事では、パレット輸送について、概要や活かし方を解説します。利用するメリットやデメリットについても解説するので、ぜひ内容を確認してみてください。

パレット輸送とは？

パレット輸送とは、「パレット」と呼ばれる荷物を載せるための台に、複数の荷物をまとめて積み、それをパレットごと輸送する輸送方法です。工場や倉庫での移動、トラックや海上コンテナでの輸送など、物流の様々な場面で活用されています。

パレット輸送に使用する「パレット」は、材質や形状によって様々な種類があります。一般的なパレットは以下の表のとおりです。

• 材質による種類

材質	特徴	用途
木製パレット	最も一般的なパレット。安価でリサイクルしやすく、荷物が滑りにくい。	食品や日用品などの一般的な物流
プラスチックパレット	軽量で耐久性に優れている。洗って繰り返し使える。	食品や医薬品などの衛生管理が必要な製品
金属製パレット	頑丈で重い荷物を積める。	機械部品、工業製品
段ボール・紙製パレット	非常に軽量でコストが安い。使い捨てに適している。	航空機輸送での利用

• 形状による種類

形状	特徴	用途
平パレット	最も標準的な板状のパレット。	様々な荷物の輸送
ボックスパレット	鉄製の網などで作られた箱型のパレット。荷物を中に入れて運ぶ。	ばらけやすい荷物などの輸送
ロールボックスパレット	キャスターが付いた箱型の台車。	スーパーやコンビニへの納品、宅配便などの輸送
タンクパレット	タンク状の容器が付いたパレット。	液体の輸送

運ぶ荷物によって適したパレットが異なるので、どのパレットを選ぶかが物流の効率に直結します。それぞれのパレットの特徴を活かすことで、より無駄のない物流が実現できます。

パレット輸送を利用するメリット

パレット輸送を利用するメリットには、以下の3つがあります。

• 大量の荷物を速く運べる
• 保管スペースを効率的に使える
• 荷物の破損リスクが減る

それぞれについて詳しく解説していきます。

【メリット①】大量の荷物を速く運べる

パレット輸送を利用する最大のメリットは、大量の荷物を速く運べることです。パレット輸送ではフォークリフトを利用するので、人による手積みや手降ろしがなくなり、大幅に荷役作業にかかる時間を短縮できます。

手作業では一度に運べる荷物の量が限られているので、何度も往復して運ばなければなりません。一方、パレット輸送ではパレットごと大量の荷物を一括で積み込んだり積み下ろしたりするので、手作業だと数時間かかる作業が、数十分で完了します。

大量の荷物を早く運べると、作業員の力仕事が減って負担が少なくなり、安全性も向上します。また、荷役時間を短縮して業務を効率化することは、ドライバー不足を改善するのに効果的です。

【メリット②】保管スペースを効率的に使える

保管スペースを効率的に使えることも、パレット輸送を利用するメリットです。パレット輸送では、荷姿が規格化された直方体となるので、トラックの荷台や倉庫内のスペースを無駄なく使用できます。

特に倉庫内では、パレットを使用すると重ねて保管することができるので、倉庫内の上部空間を最大限に活用できます。高いところに積まれた荷物は人力では運ぶのが難しいですが、パレット輸送ではフォークリフトなどの機械を使うので問題ありません。

【メリット③】荷物の破損リスクが減る

パレット輸送を利用するメリットには、荷物の破損リスクが減ることも挙げられます。パレットの分、荷物を地面から離すことができるので、水漏れや汚れを防げます。

パレットを使用する際は、フィルムなどでパレットと荷物を一体化させるのが一般的です。輸送中の振動や揺れによる衝撃を抑えられるので、破損リスクを軽減できます。パレットごと輸送するので荷物を直接触る回数も減り、落下のリスクも抑えられます。

パレット輸送を利用するデメリット

パレット輸送を利用するデメリットには、以下の3つがあります。

• フォークリフトが必要になる
• 広い作業スペースが必要になる
• 荷崩れする可能性がある

それぞれ詳細を見ていきましょう。

【デメリット①】フォークリフトが必要になる

パレット輸送を利用するデメリットには、フォークリフトが必要になることが挙げられます。パレットを使用すると人力での移動は困難なので、出荷する側と受け入れ側の両方にフォークリフトやハンドリフトの設備が必要です。

フォークリフトを使用するには、初期費用がかかります。例えば、1.5トンクラスのフォークリフトの価格相場は300万～400万円くらいです。車と同じように自動車損害賠償責任保険（自賠責）や任意保険、固定資産税などの諸費用も数万～数十万円かかります。

また、フォークリフトの運転には資格が必要です。最大荷重が1トン以上のフォークリフトを運転するには、「フォークリフト運転技能講習」を修了しなければなりません。最大荷重が1トン未満でも、「フォークリフト運転特別教育」を受講しなければならないので、教育コストがかかります。

【デメリット②】広い作業スペースが必要になる

広い作業スペースが必要になることも、パレット輸送を利用するデメリットです。パレット輸送に不可欠なフォークリフトが安全に走行するには、広い通路幅が必要です。

フォークリフトは基本的に前方にしかパレットを載せることができません。フォークリフトが旋回するスペースも考える必要があるので、狭い工場や倉庫に導入すると作業効率をかえって落とす可能性があります。

作業スペースに加えて、パレットを保管する場所も必要です。パレットの種類によっては繰り返し使えるものもあるので、使用しないときに保管するスペースを確保しなければなりません。工場や倉庫が狭いと、本来保管すべき商品のスペースを圧迫して非効率になります。

【デメリット③】荷崩れする可能性がある

パレット輸送を利用すると、荷崩れする可能性もあります。パレットの上に荷物を載せる際に重心が前後左右のどれかに偏ってしまうと、運送時に横転して荷崩れする可能性が高いです。また、荷物間に隙間があると運送中の振動で荷物が動いてしまい、荷崩れの原因になります。

荷崩れはラップやバンドを使って十分に固定するなど、適切に積むことで最小限に抑えられます。パレット輸送をはじめる際は、基本的な固定方法の理解が重要です。

パレット輸送を最大限活かすには？

パレット輸送を最大限活かすには、以下の3つが有効です。

• 積載効率を最大化する
• パレット管理を見直す
• 作業を機械化する

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

積載効率を最大化する

パレット輸送を最大限活かすには、積載効率を最大化するのが効果的です。大量の荷物を運べることがパレット輸送の強みなので、積載率を高めて輸送コストを抑えるようにしましょう。

具体的には、パレットに乗せる段ボールのサイズや荷姿を統一し、パレット上に隙間なく載せることが有効です。パレットのサイズとトラックの荷台サイズを事前に計算し、どの配置が最も効率的かシミュレーションしておくことで、より積載率を上げやすくなります。

パレットの上部に空間がある場合は、パレットごと段積みできるようにしましょう。特に重量が軽い荷物の輸送において、積載量を大幅に増やせます。

パレット管理を見直す

パレット管理を見直すことも、パレット輸送を最大限活かす方法の1つです。パレットの所有や管理に伴う手間やコストを削減することで、より効率的なパレット輸送ができます。

パレットを所有する際は、レンタルも検討すると良いでしょう。レンタルすることで、初期投資費用や修理、メンテナンスの手間に加え、パレットの保管スペースが削減できます。特に倉庫の規模が中程度の場合は、レンタルと自社所有を比較検討することで効率化できます。

パレットを標準規格に統一することも有効です。日本国内のパレットにはT11型1100mm×1100mmなどの標準規格が定められているので、納品先や輸送業者間で統一すれば積み替え作業をより効率的に行えます。

作業を機械化する

作業を機械化することでも、パレット輸送を最大限活かせます。パレット輸送は作業効率が上がることが強みなので、機械導入による効率化との相乗効果が見込めます。

特に、パレットの在庫や入出庫を管理するシステムの導入が効果的です。パレットの紛失防止や、回収と返却の計画を自動化できるので、人手不足にも対応できます。予算に余裕がある場合は、フォークリフトの自動運転やリモート操作システムの導入でさらなる効率化が可能です。

パレット輸送なら日新運輸工業におまかせください

日新運輸工業では、パレット輸送を用いたトラック輸送を受注しております。輸送のプロとして培ってきたノウハウがあるので、効率的なパレット輸送を実現できます。フェリー輸送や鉄道輸送でのパレット輸送にも対応可能です。

パレット輸送をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。電話やメールにて、見積もり・お問い合わせを承っております。

まとめ

この記事ではパレット輸送について解説しました。パレット輸送は大量の荷物を速く運べるので、効率的な輸送に必要不可欠です。

パレット輸送を最大限活かす方法は、以下の3つです。

• 積載効率を最大化する
• パレット管理を見直す
• 作業を機械化する

最適な積載方法や管理を行うことで、パレット輸送の強みを最大限発揮できます。在庫管理システムなどの機械化と併用し、より効率的な物流を行いましょう。